「土地を相続したものの、持て余している」「老後のために一応土地を買ったが、何に使えばいいのかわからない」とお困りの地主の方も多いのではないでしょうか。
土地はただ所有しているだけですと税金や維持費・管理費がかさみます。資産というよりむしろ負債になっているのかもしれません。だからこそ、その土地を活用して収益化しようとする人がいるのでしょう。

現にそれが功を奏し、安定した不労所得を手に入れたり、生涯生きるのに困らないような多額の資産を構築できていたりする人もいます。しかし、それらはごく一部の例です。知識不足のまま見切り発車で土地活用に手を出せば、結果もついて来ないでしょう。

そこで今回は、代表的な土地活用の方法を4つご紹介します。各方法にメリットとデメリットがあるので、どういった活用方法がベストなのか、今後の判断材料にしてください。

土地活用とは 

土地活用の4つの方法について知る前に、まずは土地活用とは何なのか、メリットやデメリット、流れを解説します。

土地活用について

土地活用とは、土地の所有者が土地を効果的に活用することで資産を増やしたり、保全することを目的としたりするものです。土地活用の方法は土地の特徴ごとに様々なものがあり、目的や初期費用などに応じて活用方法は大きく変わります。

例えば、短期で大きな収益を上げることが目的の場合は「売却」、長期的に安定収入を上げることが目的の場合は、「賃貸」で家賃収入を得るなどです。どのような活用方法を選択するにしても、土地が本来持っているポテンシャルを見極め、地域のニーズにマッチした事業を行う必要があります。

そうすることで、土地を「お金を生み出す資産」に変えられるのです。

土地活用のメリット・デメリット

土地活用のメリット・デメリット

土地活用は、いわば「投資」と同じです。投資なので、当然メリットもデメリットも両方あるでしょう。上手く活用できれば、あなたの経済状況を飛躍的に好転させられますが、間違った土地活用の方法を選択すれば、今よりも出費が増えたり、思わぬトラブルに繋がる可能性もあります。

ここでは、土地活用におけるメリットとデメリットについて解説します。

・メリット
土地活用のメリットには大きく3つあります。

「収益」
賃貸マンション経営、商業施設事業、駐車場経営、工場・倉庫経営など、土地活用によって土地を持っている人自身がオーナーとなり、事業を行えばそこから収益を得られます。家賃収入や駐車料金などから、本業と同等もしくはそれ以上の収入源を構築を得ることも可能でしょう。

「節税効果」
活用方法にもよりますが、固定資産税、所得税、相続税など、土地に課されるさまざまな税金の節約が期待できます。

「社会貢献」
土地活用による賃貸事業、商業施設事業の経営が安定して続けられれば、長期的にはその地域の人口増加や就労支援に貢献できます。土地の資産価値が上昇すれば、その地域や近隣地域の活性化にも繋がるのです。

・デメリット
土地活用のデメリットとしては大きく以下の3つが挙げられます。

「初期費用」
土地活用を始めるには、多かれ少なかれ初期費用が必要です。賃貸マンション・アパート経営や商業施設経営であれば、建築費用や居住者の集客費用が発生し、駐車場経営であれば駐車場の設置費用などが発生します。

ただし、例外としてフルローンの場合は頭金が必要ないケースもあります。

「経営リスク」
初期費用のハードルをクリアできたとしても、赤字経営になる可能性は残っています。空室リスクや予期せぬ維持管理費によって、不安定な経営に陥るリスクがあるのです。十分な収益が得られなければ、自己資金を切り崩しながら経営を続けなければいけなくなるでしょう。

「トラブルのリスク」
賃貸マンション・アパート経営の場合、住民トラブルが発生する可能性もあります。地域の特徴やニーズを踏まえて綿密に市場調査をし、盤石な事業計画のもとに賃貸物件を建てなければ、思わぬ二次トラブルに見舞われてしまう可能性もあるので、注意しておきましょう。

土地活用の大まかな流れ

土地活用の大まかな流れ

1.目的や要望を絞る
土地活用をする際は、まずは目的や要望を決めましょう。短期で収益を得たいのか、長期的に安定収益を得たいのか、ある程度の大枠を決めておくと、不動産業者への相談時に話がスムーズです。

2.不動産業者への相談
めぼしい不動産会社や建設業者を見つけて訪問し、土地活用について相談をしましょう。その際、1社のみに絞らないことがオススメです。比較対象がないと、提案された土地活用プランが適切か否か判断が難しく、相場より大幅に高い費用がかかるプランを提案されてもわからず契約してしまう可能性があります。

2~3社以上に相談するよう心がけましょう。最近では一括プラン請求のできるサイトも多いので、そちらを利用してみてください。

3.市場調査
土地活用のプランが決まったら、次に市場調査をする必要があります。目的に即した土地活用が可能か否か、入念に調査をします。

もちろん自力で調査をするには限界があります。都市計画法などの法的制限も含め、市場調査をするには専門知識が欠かせません。専門の不動産会社や各種コンサルタントに依頼しましょう。市場調査の段階で、「土地活用は困難」と判断されるケースもあるので、じっくり調査をして確認しましょう。

4.活用プランの設計
市場調査の結果をもとに、どういった土地活用の方法が最適なのか、専門家に提案をしてもらいましょう。全体でいくらの費用がかかるのか、概算が可能です。初期費用はいくらかかり、どのように費用を捻出するのか、回収の見込みはあるのか、ローン金額はいくらで月々の返済金額はいくらか、月々の想定収益はいくらか、しっかりとシミュレーションし、イメージしておきましょう。

5.契約
費用面、工事の内容、サポート面など、総合的に納得のいく施工業者を見つけて契約を交わします。

6.建築・施工
業者が建築・施工をしている間は、集客に集中しましょう。賃貸マンション・アパートなら入居者の募集、商業用施設ならテナントの募集を始めます。

7.完成引渡し
無事に建物が出来上がったら、いよいよ引き渡しです。建物の管理に関しては、可能であれば自分で管理しても良いでしょう。費用がかかることさえクリアすれば、管理会社に委託することも考えてみましょう。

設計・建築を担当した会社が管理事業を行っていることもあるので、新たに管理会社を探す手間を省きたいのであれば、そのまま同じ会社に管理を依頼するという選択肢もあります。

賢く土地活用をする4つの方法

ここからは、具体的に土地活用の方法について解説していきます。細かく言えばもっと方法はあるのですが、今回は比較的メジャーなものを4つピックアップしました。
ぜひ参考にしてみてください。

土地活用のアイデア①賃貸アパート・マンション

不動産投資と聞いて、思いつくのは「賃貸アパート・マンション投資」といった人も多いのではないでしょうか。親族から受け継ぐ人も多く、ここ数年はサラリーマンや公務員の人が副収入を目的として所有したり、家族のために資産を残しておくのを目的として、所有したりするのも珍しくありません。

今回はワンルームや区分マンション等の不動産投資は除外して、所有している土地に一棟ものを建てた場合を想定してお伝えしていきます。

・賃貸アパート・マンション投資のメリット

「安定収入が得られやすい」
一棟もののアパート・マンションを建てた場合、空室リスクを分散できるので安定収入が得られやすいです。仮に一室が空室になったとしても、他の部屋の家賃収入があるので経営上のリスクをある程度はコントロールできます。

例えば1室の家賃が月6万円、戸数が10室であれば月60万円の家賃収入が得ることができ、1室空いてしまっても月54万円の家賃収入を確保できるのです。

「レバレッジ効果がある」
アパート・マンション投資は金融機関からの融資を受ける場合がほとんどなので、はじめから多額の自己資金を必要としません。自己資金以上の建物を取得し、家賃収入によってローン返済することで、効率的に資産を構築できます。

「手軽に管理しやすい」
「一棟ものなんて管理が大変そう」と考える人も多いのではないでしょうか。そういった人は、管理会社に集客や管理業務を委託するのがおすすめです。

契約手続きや住民トラブルなどの面倒な業務は、全て管理会社に丸投げできます。さらに、サブリース(不動産オーナーの所有する物件を一括して借り上げ、一戸単位で入居希望者に貸し出す仕組み)や家賃保証サービスを活用すれば、空室リスクは極限まで抑えることも可能です。

このように、管理の手軽さや安定収入が得られる魅力に惹かれ、賃貸アパート・マンション投資は土地活用の選択肢として、あらゆる世代の人から長年の人気を誇っています。
 

・賃貸アパート・マンション投資のデメリット
一見メリットばかりに思える賃貸アパート・マンション投資ですが、もちろんデメリットもあります。

「人口減少」
日本はいまもなお人口減少が進んでいて、毎年約50万人ほどの人口が減り続けています。「人口が減るから、空き家が増える」といった単純な話ではありませんが、少なくとも立地次第では大きなダメージを受けるでしょう。

人口減少のスピードが早い郊外や、限界集落の不動産は特に注意が必要です。利便性が悪い田舎や山間部では若者離れが進み、高齢化が進行します。やがて賃貸の需要が供給を下回れば、家賃が下落するのは必至です。

「競争が激しい」
賃貸住宅が売り手市場だった時代は終わりを迎えています。白い壁紙、どこにでもありそうな照明、よく見る茶色い床材といった画一的なデザインの部屋で、満足にマンション経営ができるかといえば決してそうではないでしょう。

部屋探しをしているお客様の気持ちになってみましょう。立地も内装も似たような物件であれば、残された主な選考基準は「賃料」となります。そうなれば価格競争が激化し、家賃を下げざるを得なくなり、経営悪化につながってしまいます。

価格競争を避けるには、他を寄せ付けない独自のコンセプトのもと、物件に付加価値をつけなければいけません。「この物件でいい」ではなく「この物件がいい」と思われるような優れたコンセプトによって、他の物件との差別化を図る必要があります。

「管理会社の倒産の可能性」
先述した管理会社による「家賃保証」や「サブリース」は、オーナーにとっては夢のような契約でしょう。しかし、油断は禁物です。景気悪化により、家賃を下げざるを得ない状況に陥ったり、最悪の場合管理会社が倒産し、家賃回収すらできずに一気に赤字経営に転落したりする可能性もあります。

実際、2017年に話題となった「かぼちゃの馬車事件」がまさにそうでした。「かぼちゃの馬車」という名前の女性向けシェアハウスが「最高35年の一括借り上げ」と謳い、収益物件を販売していたのです。

しかし運営会社は同年に突如賃料の減額をオーナー側に通知、翌年の説明会では「今月以降の賃料の支払いが難しい」と経営悪化の現状を明らかにしました。

かぼちゃの馬車が社会問題になっているのとほぼ同時期に、大手ハウスメーカーが二社、同様のサブリース問題でオーナー側から集団訴訟されているという事実です。

「企業だから安心」「テレビでも見かける大手だから安心」といった、油断は不動産投資の成功を遠避けてしまうでしょう。

「金利上昇の可能性」
金融機関で変動金利型のローンを組む際、景気によっては金利に変動があり、返済の負担が大きくなる可能性があります。特に借入額が大きい場合は注意が必要です。

「修繕費用の増大」
不動産投資の初心者が収支のシミュレーションをする際、見落としがちなのが建物の修繕費用です。
長年人が住み続ければ、建物は老朽化します。家族住まいやペット可の物件は特にそれが顕著です。

一般的におよそ築10~15年に1度は、大規模な修繕が必要と言われていて、収入を圧迫する大きな要因となります。

「自然災害・事故による収益性の低下」
他のリスクよりも可能性は低いですが、その分ダメージが大きいのが自然災害・事故です。地震や火事、洪水で被害を受けると、不動産の価値は大きく目減りします。修繕不可能な場合は家賃収入も得られずローン返済も滞ってしまうでしょう。

土地活用のアイデア②商業用ビル・オフィスビル

土地活用のアイデア②商業用ビル・オフィスビル

・メリット

「収益性が高い」
賃貸住宅用不動産と事業用不動産との大きな違いは、借主が利益を追求しているか否かです。利益を追求しない賃貸住宅の場合は、賃料にある程度の相場があるので、極端に高い賃料を取ることは困難となります。

しかし、事業用不動産の場合は異なります。借主の目的は借りた物件を利用することで利益を出すことです。高い利益を出せると判断できるような根拠や実績があれば、借主も必要経費とみなしてくれるので、強気な金額で家賃を設定することができます。

そのため事業用不動産の家賃は賃貸住宅よりも高くなり、高い収益性を実現できるのです。

「長期の賃貸契約が見込める」
住宅用の賃貸物件の場合、一般的に契約期間は「2年」であることが多いです。契約期間が短い上、結婚や出産などのライフイベントも住み替えのきっかけとなってしまいます。

その点、事業用不動産の場合は立地にもよりますが、一度入居すれば「10年」「20年」と借り続けてくれることも多いです。頻繁にオフィスやテナントを移転すれば、その都度費用がかさみます。ひとたび優良な店舗や土地を借りることができれば、テナント側もできるだけ移転しないのは自然な話でしょう。

「法人化による節税効果が期待できる」
事業用不動産を経営する場合、個人よりも法人で経営した方が色々と都合が良いです。身内を雇うなどして節税もでき、法人であれば使える経費の幅も増えるでしょう。また、法人として不動産を所有しておけば、子どもや孫に相続する際も収益を法人給与として渡すことができるため、相続税がかからないケースも少なくありません。

・デメリット

「ローンが組みにくい」
事業用不動産の場合、金融機関からの融資は事業用ローンを使うことになりますが、事業用ローンの審査は住宅用不動産よりも厳しいでしょう。事業計画に穴はないか、建物自体に収益性があるのか、オーナーの返済能力に問題はないかなど、個人用の賃貸物件よりも細かく査定があるので、ローンが組みにくいといったデメリットもあります。

「景気に影響を受けやすい」
事業用不動産は確かに住宅用賃貸不動産と比べると、収益性も高く長期契約してもらえるといった利点がありますが、同時にそれはひとつの空室から受けるダメージが大きいことを意味しています。景気悪化により企業の業績が悪くなれば、新規出店に消極的になり、テナント付が難航するでしょう。

すでに入居している企業からも、「入居し続ける代わりに賃料を下げてください」と賃料や管理費の値下げを要求される可能性もあります。

商業利用を目的とした土地活用の成功例として、弊社の事例を本記事の後半でご紹介していますので、参考にしてみて下さい。

土地活用のアイデア③駐車場

土地活用のアイデア③駐車場

土地の活用方法として、ハードルが低くて選ばれやすい手段の一つが「駐車場経営」です。

・メリット

「少ない初期費用で済む」
賃貸アパート・マンションのように建物を建てずに済むので、少ない初期費用で始めることが可能です。ざっくりですが、5台~10台程度の規模で200万円~500万円あたりが相場と言われています。

コインパーキングの運営会社への一括借り上げであれば、初期費用は限りなくゼロに近い形で始められることも多いので、リスクを抑えて投資を始めることができます。

「災害のリスクが小さい」
賃貸用アパート・マンションや商業用ビル、オフィスビルの場合、自然災害はあまりに大きなリスクです。しかし、駐車場の場合は建物がないので被害も小さく、コンクリートやアスファルトといった土台の舗装さえすれば、すぐにでも再稼働できます。

「管理がラク」
コインパーキングを運営する会社と契約すれば、清掃、集金、機械の調整や利用者とのトラブル対応まで、トータルで任せられるので、管理業務に気をとられずに土地活用が可能です。

・デメリット

「土地の利用効率が低く、収益性が低くなる」
もし同じ立地で同じ広さの土地に複数階の商業用ビルを建てれば、階数に応じて活用できる面積が増えます。しかし、一般的な駐車場には2階以上の階数がなく活用できる面積が限られます。そのため、必然的に土地の利用効率は低くなっており、賃貸用アパート・マンションや商業用ビルと比べると、収益性が低くなってしまうのです。

「税負担が大きくなってしまう」
賃貸用アパート・マンションと比べると、税制面で旨味が少ないのも駐車場経営の特徴です。アパート・マンションのように固定資産税の減税対象にはなったりしませんし、相続税に関しても特に優遇されたりしません。

「供給過多」
駐車場経営は参入障壁が低く、大きなリスクを冒す必要もないため、参入者が乱立しています。競合が増えれば利用者がよりリーズナブルな料金を求めるのは世の常ですので、そうなれば待っているのは価格競争です。

価格競争によって収益性が下がり、コインパーキングの運営会社の経営が悪化すれば、賃料値下げを要求されたり、最悪撤退されたりする可能性も十分あります。

土地活用のアイデア④工場・倉庫

土地活用のアイデア④工場・倉庫

事業用不動産の中でもあまり知られていないのが「工場・倉庫」です。需要はあるのか?利回りは大丈夫?管理が大変では?と不安を感じる人も多いですが、工場・倉庫にはアパート・マンション、商業用ビルとはまた違ったメリットがたくさんあります。

・メリット

「初期費用を抑えられる」
工場・倉庫の場合、建物の構造がシンプルなので、居住用の賃貸物件と比べると初期費用はかなり抑えられます。同時に、設備も元々多くないので修繕費も居住用物件ほどかかりません。

内装の美しさを求められることもまずないですし、内装は基本借主側に任せる内容の契約にすれば、コストをより抑えられます。

「家賃の下落リスクが低い」
居住用の賃貸物件の場合、耐久年数が過ぎて設備品が故障するなど、諸々の経年劣化に伴って家賃を下げざるを得ないことは多いです。そうならないためにリフォームを施して建物の魅力を保持できますが、リフォームには相当の費用がかかるので、いずれにしても収益性は下がってしまうのです。

その点、工場・倉庫の場合は経年劣化しても、それが直接的に家賃に影響を与えることはあまりありません。築4〜5年程度まで賃料の相場が下がることはありますが、あとはずっと横ばいで賃料が安定する傾向が強いです。

「用途の選択肢が多い」
通常、投資用不動産というのは建築した段階で用途が制限される場合がほとんどです。用途や目的にのっとって建物を設計するので、あとから他の用途に転用するのは容易ではありません。

例えば、建物内の設備に関して法令の縛りが多い福祉施設の場合、ほぼ不可能と言ってもいいでしょう。その点、倉庫や工場はそういった縛りも少なく、造るのも解体するのも難しくないので、あとから用途を変更するには都合の良いの活用方法なのです。レイアウトを少し変えれば事務所・オフィスにもなり得ますし、土地が広ければ大規模な店舗(ドラッグストアや遊戯施設など)を造ることもできます。

また近年は、アマゾンを始めとするネット通販サービスが普及したり、日本郵便と楽天が物流新会社「JP楽天ロジスティクス」を設立したりなど、物流業界が多いに盛り上がりを見せています。今後その影響で、物流会社の需要が増し、使われていない土地が配送拠点として活用される可能性もあるでしょう。

「駅近である必要がない」
商業用ビルやオフィスビルと同様、物件が駅に近い必要がないのも大きなメリットです。居住用の賃貸マンションの場合は駅に近くて利便性が高いことが収益安定に直結しますが、倉庫・工場は違います。

駅から離れた場所であっても需要はありますし、むしろ近隣住民への騒音トラブルなどを考慮すれば
駅から離れた場所にある方が都合が良いこともメリットとなり得るでしょう。 

・デメリット

「リスクを分散できない」
テナントが入っている限り、長期にわたり家賃収入を得られるのは商業用ビル・オフィスビルと同様、倉庫や工場にとっても大きなメリットです。しかし、その代わりにリスクが集中してしまう側面もあります。

家賃滞納や賃貸契約の解除の可能性もゼロではないので、そうなった時の準備が常に必要です。最悪企業が倒産してしまい、テナント側が利用していた設備が撤去されないまま撤退されたら、オーナー自身が身銭を切って撤去費用を賄わなければいけない可能性もあります。

すぐに次のテナントが決まらず、賃貸収入がゼロになる可能性も考慮しておく必要があるでしょう。
「相手は企業だし、滞納や倒産なんて簡単にしないだろう」と高を括らず、事前にテナント側の審査を十分に行っておくことをオススメします。

「税負担が大きくなってしまう」
駐車場経営と同様、居住用不動産と比べて税制面での負担が大きくなるのも、倉庫や工場を所有する場合のデメリットです。

例えば、固定資産税は居住用の不動産か事業用の不動産かで、同じ面積でも負担額がかなり変わってきます。住宅用不動産のように税負担が軽減されるパターンもゼロではないですが、住宅用不動産ほどの恩恵は受けられません。

また、土地によっては固定資産税と合わせて都市計画税が発生することもあります。このように、工場や倉庫を所有する場合は税制面で住宅用不動産よりも維持コストがかかることを踏まえておきましょう。

より詳しく土地活用の種類について知りたい人は、下記の記事もあわせてご覧ください。

土地活用の失敗例と成功例

ここでは土地活用の方法として、失敗例と成功例を一つずつご紹介します。

土地活用の失敗例「賃貸アパート・マンションの場合」

土地活用の失敗例「賃貸アパート・マンションの場合」

土地活用における失敗例の典型として、賃貸アパート・マンションが挙げられるでしょう。土地を持て余したオーナーが、営業に来た不動産営業マンのセールストークに乗せられてアパート・マンションを建てたものの、部屋が満足に埋まらずに家賃収入が得られないパターンです。

そもそも立地が微妙だったり、競合との差別化が考慮されていなかったりすると、顧客は他の物件に奪われ、あっという間に空室リスクにさらされてしまいます。

また、入居者とのトラブル発生によって経営が悪化する可能性もゼロではありません。家賃滞納があれば、対応に時間と労力がかかりますし、最悪裁判に発展することもあります。

仮にオーナーと入居者との間に管理会社が入っていて、家賃保証の契約を交わしていたとしても、前述の通り管理会社自体が倒産してしまうリスクもあるのです。

さらに、少しでも初期費用を抑えようとした結果、耐久年数の低い建物を建てて失敗するパターンも考えられます。耐久性が低いと、その分修繕費用がかかりますから、結果出費がかさんで収益性を下げてしまうのです。

このように、土地活用の方法として賃貸アパート・マンションを選ぶ際は、入居者の審査をある程度厳しくしたり、建設を依頼する会社をよく精査したりして、トラブル回避に努める必要があります。

アパート・マンションの賃貸経営の詳細については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

土地活用の成功例「トレーラーハウスを活用したドライブスルー店舗の場合」

土地活用の成功例「トレーラーハウスを活用したドライブスルー店舗の場合」

こちらは弊社が所有する土地(東京都立川市)を活用した事例となります。長期の契約が期待できる「商業用」の建物であると同時に、トレーラーハウスを採用しているので「工場・倉庫」のように設置や解体が比較的容易です。

また、車通りが多い「ロードサイド」という立地の長所を生かし、ドライブスルーの形態をとっているため、足を運んでくれるお客様の回転率も高めとなっています。昨今の社会情勢により、人との接触が少ないドライブスルーのニーズが高まっていることも追い風となりました。

弊社は、所有している土地を株式会社ホットランド様(築地銀だこを運営)に借りていただき、土地活用を実現させています。人通りの多い好立地な土地をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

土地活用で成功する方法のまとめ

土地活用で成功する方法のまとめ

最後に、土地活用で成功する方法をポイントごとにまとめましたのでぜひチェックしてみてください。また同時に、弊社がお役に立てることや得意とするビジネスについても紹介しています。

土地活用で成功するコツ

・長期的な視点を持つ
これまでも解説させていただいた通り、土地活用は基本的に長期的な計画のもとで取り組むのが成功への近道です。少なくとも年単位の歳月をかけ、収益化できるよう目指しましょう。

それは、活用方法のアイデアが「賃貸アパート・マンション」でも「商業用ビル・オフィスビル」や「駐車場」でも同様です。仮に数千万円台のマンションを建てた場合、1年や2年で回収しようとすれば、月々の家賃は数百万円を超えてきます。

もちろん非現実的なやり方なので、10年単位、20年単位と、無理なく利益を出していける方法を模索しましょう。

・リスクを前提にシミュレーションする
土地活用においては、どの活用方法を選んだとしても相応のリスクがあります。リスクをゼロにはできませんが、事前の準備次第で低減することは可能です。

住居用の賃貸であれば空室リスクや住民トラブル、商業用ビルやオフィスビルであれば家賃滞納や値下げ要請の可能性など、想定しうるリスクが現実となった時、どう対処すべきかを明確に把握しておきましょう。

誰に相談するか、解体や買い替えを判断する基準など、事前にシミュレーションを組んでおくことが万が一の際の被害を最小限に留めてくれます。

・立地に見合う土地活用の方法を選ぶ
土地活用において重視しなければならないのは「立地」です。すでに相続した土地を持っていたり、その土地に愛着があったりすると、活用することにばかり気を取られがちですが、どの活用方法を検討しても立地条件が不利であると判断したなら、売ってしまうのも一つの選択でしょう。

売却して資金が手に入れば、より条件に合う土地に買い替えられる可能性もあるので、土地活用以外の投資に資金を回しても良いでしょう。所有している土地の立地条件が良くないと感じているなら、買い手がいるうちに手放すのもひとつの方法です。

・その道のプロへの相談を惜しまない
土地活用を成功させるには膨大かつ広範囲な知識、膨大な思考量(時間)が必要とされます。過去に土地活用の経験がない人が1人で土地活用を進めていくには限界があり、収益化も遠くなってしまうでしょう。

土地活用を検討しているのなら、その道のプロへの相談を惜しまないようにしてください。
プロに頼ることができれば、事前に潰せるリスクも理解して進めることができ、その他の方法や知識についても教えてもらうことができます。「近畿住宅流通」へのご相談はこちらから

土地活用全般について相談するなら専門の不動産業者、ローンの相談なら金融機関、賃貸経営をするならハウスメーカーや不動産業者といったように、決して1人で抱え込まずに役割ごとにセカンドオピニオンを頼るようにしましょう。

近畿住宅流通にできること 

弊社は、大阪を拠点として活動する事業用不動産投資のプロフェッショナルです。

土地売買や土地活用のサポートに留まらず、資金調達面でのフォロー、お客様の経営をさらに強くするための提案、財務戦略で発生する保有資産のマッチングや開発時のビジネスパートナの紹介まで、トータルで最適な解決策を提供しています。

また同時に、弊社自身も事業用不動産の経営や土地活用を積極的におこなうプレイヤー集団でもあります。昭和63年の創業以来、賃貸マンション経営や駐車場経営はもちろん、ホテル・旅館の経営、医療モールの企画設営など、幅広い実績を積んできました。

長年蓄積されてきたノウハウやネットワークがあるからこそ、柔軟かつ適切なサポートが実現できています。土地活用について相談されたいこと、お困りのことがありましたら、ぜひ近畿住宅流通までお問い合わせください。

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