事業用地の定義とは?活用する際の注意点や相談先も解説

「事業用地の活用に興味があるんだけど、そもそも事業用地の定義って何?」
「事業用地と宅地って、何が違うの?」

今回の記事では、このような疑問に回答します。

目次

事業用地の定義

事業用地の定義

事業用地とは、事業によって収益を得ることを目的とし、所有・投資する土地のことをいいます。

実際には工場や倉庫、配送センター、研究所など、流通や生産に関わる産業施設用地を指す場合が多いです。なお、広義だと商用ビルや店舗、賃貸アパート・マンションなどが建っている土地も含まれることがあります。

事業用地の売買が人気の理由

こちらでは事業用地の売買が人気の理由を、

  • EC市場の拡大により、物流施設のニーズが上昇
  • インフレ対策に有効
  • 相続税対策に有効

の順番で紹介します。

EC市場の拡大により、物流施設のニーズが上昇

経済産業省の調査によると、国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、2010年以降9年連続で拡大しています(※1)。

BtoC-EC市場とは、Amazonや楽天市場、ZOZOTOWNなどのECモール、またはユニクロなどのように自社商品を販売するECサイトなどで売買取引される市場のことです。

近年、新型コロナウィルス感染症の影響で巣篭もり需要が高まったことや、売買の利用端末であるスマートフォンが普及したことが、市場拡大に拍車をかけたといえるでしょう(※2)。

EC市場が拡大したことで、物流施設のニーズが上昇し、適性のある事業用地の売買が人気となりました。

実際、2013年〜2019年にかけて、倉庫・物流施設の建設工事受注額が7年連続で増加したことが、国土交通省の調査で明らかになっています(※3)。

※1「電子商取引に関する市場調査の結果」(経済産業省)

※2「内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業」(経済産業書)

※3「物流を取り巻く動向と物流施策の現状について」(国土交通省)

インフレ対策

次に事業用地の売買が人気な理由は、インフレ対策に有効である点です。

資産を現金のまま保持するのではなく不動産に替えておくことで、インフレ時に資産の価値が目減りするリスクを回避しやすくなります。

価値の目減りを回避しやすい理由は、基本的に不動産の価値が、インフレによって値上がりする商品やサービスに連動して上昇しやすいためです。

また、インフレ時は現金の価値が下がるため、相対的に借金の負担も減ります。融資を受けて不動産投資をする人にとっては、資産形成をしやすいメリットもあるでしょう。

相続税の対策

事業用地の売買が人気である最後の理由は、相続税対策に有効である点です。

まず、現金で相続するよりも、不動産に替えて相続した方が相続税の負担が減ります。遺産が評価される際、土地の部分は実勢価格(取引が正立する価格、あるいは時価)の80%程度の評価を受けるためです。

また、建物の部分に関しても実勢価格の70%程度の評価を受けます。現金で相続する場合は、所有している金額がそのまま100%の評価となるため、土地や建物に替えておくことで、相続税の負担を2〜3割程度減らすことが可能です。

利用状況によっては「貸家建付地評価」「小規模宅地の特例」などが適用され、さらに相続税評価額が下がる可能性もあります。詳しくは国税庁のサイトを参照してください(※4・5)。

※4「貸家建付地の評価」(国税庁)

※5「小規模宅地の特例」(国税庁)

事業用地のことはどこに相談すればいい?

続いては、事業用地の相談をするのにおすすめの相談先を紹介します。

  • 税理士/会計士/弁護士
  • 不動産業者
  • 土地活用の専門業者

の順番で紹介するので、参考にしてください。

税理士/会計士/弁護士

土地は保有しているだけで、固定資産税や都市計画税などの税金を毎年支払わなければなりません。相続の際も、相続額次第では相続税が発生することもあるでしょう。

これらの税金は工夫次第で負担を軽減することができるので、事業用地の税務に関して相談をするなら、税理士にしましょう。

次に、税務のみならず、資金繰りや経営面での相談をするなら会計士もおすすめです。会計士によっては事業用地や不動産投資に強い事務所・個人もいるので、相談先として有効です。

また、事業用地を扱う際は弁護士の力を借りる場面もあるでしょう。売買や賃貸に関する契約書の作成や、相続・贈与の手引き、トラブル対応などで力になってくれるはずです。

不動産業者

事業用地の売買や賃貸の取引をおこなうには、買い手や借り手を見つける必要があります。そこで相談先として有効なのが、仲介を得意とする不動産業者です。

オーナー自身が自力で買い手や借り手を探すのは中々難しいため、不動産業者の集客力や独自のネットワークを頼りましょう。

ちなみに、売却の相談をする際に査定をしてもらうことがありますが、査定には無料のサービスと有料のものがあります。参考程度に知りたいのであれば、無料査定で十分と言えます。法人間取引などで正確な査定が必要な場合は、有料の査定を活用しましょう。

土地活用の専門業者

最後に、弊社のような土地活用の専門業者も相談先として有効です。前述の不動産業者との大きな違いは、自社で事業用地の取得・活用・売却をおこなっている点です。

土地活用の専門業者の特徴としては、中小規模のオフィスビルや商用施設、ロードサイドや工場・倉庫など、地域密着型の業者が多い傾向があります。

また、自社で事業用地を活用した経験とノウハウを活かし、土地活用のコンサルティングをおこなっている業者も多く存在します。

土地活用の専門業者がもつ相談先としての強みは、フォローできる範囲が広い点です。不動産業界や建築業界はもちろん、金融機関との接点も多いため、実用的なアドバイスをもらえる可能性が高いでしょう。

ただし土地活用の専門業者は、賃貸マンション、駐車場、工場・倉庫など、業者ごとに得意分野が異なるため、事前に相談内容との相性が良いか確認しておくことをおすすめします。

事業用地を土地活用する際の注意点

事業用地を土地活用する際の注意点

最後に、事業用地を活用する際の注意点を、

  • 流動性が低い
  • 金融機関の融資を受けにくい場合がある
  • 節税効果を期待できない
  • 土地を取得する前に、土地の特性を知る

の順番で紹介します。

流動性が低い

事業用地に限ったことではないですが、総じて不動産は流動性が低い資産と言われています。

まず、売却して現金化したくても、買い手の都合で売買成立に至らないケースが多くあります。例えば、買い手にとって価格が高過ぎたり、不要な建物があって敬遠されたりするケースです。

また、仮に売却できたとしても、必ずしも得をするとは限らない点も注意が必要でしょう。

売却時に土地や建物の価値が下落していたら、販売価格を下げざるを得なくなり、仮に売却できてもローンの残債が発生することがあるのです。

「売りたくても、売れると損をするから売れない」というジレンマに陥る可能性があります。このように、事業用地をはじめ不動産は流動性が低いものです。簡単には売れないことを前提として、売却スケジュールを組むことをおすすめします。

金融機関の融資を受けにくい場合がある

土地活用をおこなう上で、金融機関の融資を受けることは珍しくありません。たとえば、建設費用が億単位の賃貸マンションを建設するために、融資を受けるオーナーは数多くいます。

しかし、工場や倉庫を建設する場合、賃貸住宅ほど融資を受けやすいわけではありません。工場や倉庫は、賃貸住宅のように資産価値が安定しているわけでもなければ、買い手が見つかりやすいわけでもないので、一般的に担保価値が低いとされているからです。

そのため、工場や倉庫を担保にして融資を受けることは、基本的に難しいと言えるでしょう。ただし、一方で工場や倉庫の建設には、国や各自治体による補助金制度を活用できるケースもあります。

支給される金額の規模もかなり大きく、原則として返還義務もないため、オーナーにとってかなり魅力的です。その代わり申請要件や審査は比較的厳しいと言われており、ハードルは高めと言えるでしょう。

節税効果を期待できない

続いても、工場・倉庫に関する注意点です。工場・倉庫経営は、賃貸アパート・マンションの経営と比べ、節税効果を期待できません。

例えば、アパート・マンションには住宅用地の特例が適用されるため、固定資産税の評価額が最大で6分の1になりますが、工場・倉庫にはそういった措置がありません。

しいて言えば、相続税の節税効果は多少期待できます

例えば、定期借地権によって第三者に土地を貸し出している場合、所有者が土地を自由に利用できないことから、通常の自用地と比べて相続税評価額が下がるようになっています(※6)。

このように事業用地は、相続税に関して多少の節税効果があるものの、固定資産税に関しては節税効果を期待できず、負担はかなり大きくなるでしょう。

※6「借地権の評価」(国税庁)

事業用地を取得する前に、土地の特性を知る

事業用地をこれから取得する場合、事前にしっかりと特性を調べることが肝要です。

たとえば、近所に大規模な工場や幹線道路があり、振動や騒音の影響を受けやすくないか?などです。あるいは、土地が化学物質などにより汚染されていないか、悪臭の有無土壌汚染などについても調べておく必要があります。

また、大掛かりな加工機器などを扱う工場を始める場合は多量の電力を要するため、電気を引き込みやすいかどうかも確認しておくといいでしょう。

さらに、これから建物を建てる場合、大型の機械が敷地内に進入できるかどうかも重要です。構造に重量鉄骨などを使う場合は大型のクレーンが欠かせないので、敷地の状態をしっかり確認しておきましょう。

このように、事業用地を活用する場合は、希望する活用が実現可能かどうか、土地の特性をしっかり確認しておく必要があります。

事業用地/事業用不動産のご相談は近畿住宅流通へ

お伝えしてきたように、事業用地はアパート・マンションなどが建つ宅地と勝手が異なります。

土地を事前に調査する時点でさまざまな知識が必要ですし、仮に事業用地を取得できたとしても、実際の活用に至るまでにはいくつものハードルがあります。だからこそ、事業用地や事業用不動産を活用するのなら、土地活用の専門業者を活用してみてください。

弊社は創立以来、30年以上にわたって全国の事業用地や事業用不動産を扱ってきました。一般的な不動産業者にはないような独自のノウハウ、ネットワークがあります。きっと何かしらのお役に立てるでしょう。

どうぞお気軽に、近畿住宅流通までお問合せください。

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