資金なしでも土地活用を始めることは可能|現金をすぐに手に入れたいなら売却一択!

「土地はあるけど、活用するための資金がない」

そんなオーナー向けに、今回は資金のない状態で土地活用を始める方法をお伝えします。収益を少しでも増やすためのポイントや、損失を回避するためのポイントも合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

土地活用を資金なしで始める方法はある? 

土地活用を資金なしで始める方法はある?

土地活用と聞くと、「ある程度まとまった資金がないと始められないのでは?」と思われている方が多いかもしれません。

しかし、実際にはほとんど資金をかけずに、あるいは初期費用ゼロで始める方法もあるのです。

土地活用は資金なしでも始められる

土地活用は、資金なしでも始められますが、それは「すでに土地を持っている場合」に限ります。すでに所有している土地を必要とする個人や企業に対し、貸し出しや売却をすることで収益を生み出すのです。

つまり、資金なしで土地活用をする方法とは、「自己負担で建物を建てたり、設備投資をしたりせずに、収益を生み出す方法」とも言い換えられます。

では、具体的にどのような活用方法があるのか、次項で紹介していきましょう。

資金なしで始めるおすすめの土地活用4選

こちらでは、資金なしで始められるオススメの土地活用の方法を4つ紹介します。

・土地の売却
最もシンプルな活用方法としては「売却」があげられます。何年も土地を放置していて、資金に余裕がなく、本腰を入れて活用する気がない方は、売却を検討してみるといいでしょう。

まとまったキャッシュが入ってきますし、その資金を活用して、新たな土地や物件に買い換えるという選択肢もあります。ただし、自力で買い手を探すのは現実的ではないため、売買を得意とする不動産会社に協力をあおぎましょう。

・駐車場経営
売却することなく、今ある土地を活用するなら「駐車場経営」をはじめるのも手です。

ただし、完全に初期費用ゼロで始めるためには、専門業者に土地を一括で借り上げてもらう必要があります。オーナーだけで始められないこともないですが、土地を整備したり、看板を設置したり、集客したりなど、意外と費用も手間もかかってしまうものです。

駐車場を運営する業者と契約すれば、そういった業務を全て委託することができます。

初期費用がかからないだけでなく、オーナー自身が管理をする必要もないので、土地活用初心者の方にはオススメの活用方法といえるでしょう。

このように、運営会社が土地を一括で借り上げて運営する手法を「サブリース」といいます。アパート・マンション経営でよく用いられている手法ですが、駐車場経営においては主に「コインパーキング」で採用されることが多いです。土地を貸し出すだけで、ほぼ手放しの状態で毎月安定した賃料を得られるのは、大きなメリットと言えます。ただし、サブリースの仕組みはいわゆる「転貸」と同様ですので、オーナー自身が駐車場を経営するよりは、収益性は下がってしまいます。

・定期借地
場所に魅力のある土地を所有している場合は、企業に対して「借地」として土地を貸し出すことで、長期間にわたって安定した賃料を得ることができます。

借地の方法にはいろいろ種類がありますが、今回は「事業用定期借地」のみ紹介します。他の借地権について興味のある方はこちらの記事を参照してみてください。
トチカツプロ「土地活用の借地権について|メリットとデメリットについて解説

事業用借地では、オーナーではなく契約する企業が建物を建てます。企業はその建物を活用して売上を立て、土地の所有者であるオーナーに土地の賃料を払うのです。

事業用定期借地の契約期間は、借地借家法によって「10年以上50年未満」とされており、長期間にわたって賃料収入を得られる可能性があります。事業用ということで、アパート・マンションと比べて賃料が高く設定しやすいため、他の活用方法と比較しても、収益性は高い方であると言えます。

具体的にどのような建物が建てられるかというと、例えば、飲食店やドラッグストア、コンビニ、オフィスのほか、規模が大きければ工場や倉庫なども考えられるでしょう。

事業用定期借地には、他にも色々とメリットがあります。

  • 企業自身が建物の費用を負担してまで土地を借りるので、契約途中で撤退するリスクが低い
  • 建物の修繕費用も基本的には契約者である企業が負担する
    (ただし、契約時の負担区分の内容次第では一部負担するケースもあり)
  • 契約満了時には建物が解体され、更地の状態で土地が返還される
  • オーナーが土地を自由に使えないという制限がかかるため、土地の固定資産税の評価額が下がりやすい

等々、多くのメリットがあげられます。もし場所に魅力のある土地を所有されているなら、定期借地を検討してみるといいでしょう。

・等価交換
最後に紹介するのは「等価交換」という活用方法です。なお、こちらは極めて好立地で土地の評価も高い場合に限られます。そのため、ハードルは定期借地よりもやや高いと言えるでしょう。

等価交換では、まず「ディベロッパー」と呼ばれる大手不動産会社と契約します。ディベロッパーが費用を負担して建物を建ててくれるので、オーナーは土地の価値に応じて、「土地の権利の一部」と「建物の権利の一部」を交換するのです。

つまり、土地の権利の一部を譲渡するかわりに、自身では建てられないような建物の権利の一部を、資金ゼロで手に入れることができるわけです。

しかも、建物の企画発案やテナント募集など、経営に関わる全ての業務をディベロッパーがおこなうため、オーナー自身が関わる業務はほぼありません。

潤沢な資金を有するディベロッパーが、市場リサーチ、ターゲット分析、マーケティング、宣伝・広告など、総合的にプロデュースしてくれるため、失敗するリスクも低いといえるでしょう。等価交換についてもう少し具体的に説明すると、建物の所有権の割合は、土地と建物の価格によって変わります。

仮に、土地の価格が5億円、建物の価格が5億円だとすると、 負担の割合は「5:5」なので、建物完成後のオーナーの割合は、土地と建物共に50%ということです。同様に、建物の資金を負担したディベロッパーも、土地・建物共に50%の所有権をもつことになります。

好立地でありかつビジネスチャンスが大きい土地では、ディベロッパーからこのような取引がもちかけられることもあるのです。

土地活用を資金なしで始める際の注意点

土地活用を資金なしで始める際の注意点

土地活用を資金なしではじめることは、確かにローリスクなやり方です。

「とりあえず土地を放置している状況から脱したい」「お小遣い稼ぎになればいい」という人には向いているかもしれません。しかし、リスクが低い土地活用はメリットばかりではないのです。

元来リスクとは金融業界において「リターンの振れ幅がある」ことを意味します。つまり、ローリスクであることは同時に「リターンの振れ幅が少ない」ことを意味するのです。

そこで、こちらでは、資金なしでローリスクで土地活用をすることのデメリットについて解説します。

お金のかからない土地活用は、赤字のときに苦労する

リスクの大小にかかわらず、あくまで土地活用は事業ですので、必ずしも常に黒字経営が維持できるとは限りません。

たとえば、借地事業をしている場合、借主による賃料の支払いが一時的に遅延したり、最悪中途解約に至るケースがあったりします。その月の売上がゼロ、あるいは赤字になる可能性があるということです。一般的に土地活用をおこなう際は、金融機関からローンを引くことが多いため、売上が落ち込んだとしても、資金力を駆使してカバーできます。

しかし、資金的に余裕がない状態で土地活用をしていると、売上のダメージは直接オーナーが受けることになるのです。

お金のかからない土地活用は、レバレッジ効果がない

お金をかけないというスタンスは、厳密には2つのパターンが考えられます。

「自己資金をかけず、ローンを利用するパターン」と、「自己資金をかけず、ローンも利用しないパターン」です。

資金なしの状態で土地活用をしたい方は、おそらく後者のパターンを想定しているかと思います。ここで問題となってくるのが、同じ土地を活用するとして、もし自己資金やローンを活用していたら、得られる収益にはどれくらい差が生まれるのか?ということです。

・自己資金を投じた場合
まず、自己資金をかけた場合は、活用の幅が広がります。すでにある建物をリノベーションしておしゃれな内装にすれば、改装前よりも高い賃料を設定できるかもしれません。

あるいは、新しく複数階の建物を建て、複数のテナントと賃貸契約できれば、土地だけを貸すより収益性は高まるでしょう。

・「自己資金+ローン」を投じた場合
自己資本の投資による可能性を、さらに広げてくれるのが「ローン」です。

土地活用において、金融機関からローンを引く最大のメリットは、「レバレッジ効果がある」ということでしょう。レバレッジとはいわゆる「テコの原理」のことで、土地活用や不動産投資においては、「最小限の自己資金で収益を最大化する」といった意味合いで用いられます。

要するに、自己資本をそのまま事業に投資するのではなく、さらに借入金をプラスすることによって、同じ利回りでもより大きな収益を得られる可能性があるのです。

以下、「自己資金のみ」で活用した場合と、「自己資金+ローン」で活用した場合とを、同じ利回りで比較した表になります。

初期費用 年間収益 利回り
1000万円(自己資金) 90万円 9%
3500万円(自己資金1000万円+ローン2500万円) 315万円 9%

借入金2500万円の金利が仮に3%だとすると、年間の利息の支払い額は75万円です(初年度を想定)。

つまり、金利の支払いを加味すると、ローンを利用した場合の年間収益は「315万円ー75万円=240万円」となります。自己資本のみで活用した場合と比べ、約150万円の収益増となるのです。1000万円の手出しに対して年間240万円の収益ですので、自己資本に対する利回りで考えると、「24%」ということになります。

投資効率でいうと、240万円÷90万円=約266%となり、「約2.6倍のレバレッジ効果がある」と言えるのです。このように、土地活用は自己資本を投じたり、さらにローンをうまく活用することで、その土地がもつポテンシャルを最大限に生かすことができます。

つまり、お金をかけずに土地をただ貸し出すという活用は、簡易的でローリスクである代わりに、こういったレバレッジ効果の恩恵を受けられないという側面があるのです。逆に積極的にリスクを受け入れれば、レバレッジ効果の高い土地活用をおこなうことができます。リスクの詳細や回避方法について興味がある方は、「土地活用で起こりうるリスクを徹底解説!回避方法についても紹介」をご参照ください。

お金のかからない土地活用で、少しでも収益を増やすには?

お金のかからない土地活用で、少しでも収益を増やすには?

前項でお伝えしたように、お金のかからない土地活用は、リスクを取らない代わりに大きなリターンを見込みにくいです。そのような状況において、少しでも収益を増やすにはどうすればいいのでしょうか?また、少しでも損失を減らすためにはどうするといいのでしょうか?

そこで、こちらでは、先に紹介した4つの活用方法を例に、収益を増やすポイントや損失を減らすポイントについて解説していきます。

土地の売却がおすすめ

売却の際、何に注意すれば少しでも高く売れるのか、どうすればより多くの現金を手元に残せるのか、ポイントをお伝えします。

⑴価格は少し高めに設定しておく
売買の取引時には、買主による価格交渉があるのがざらです。そのため、価格交渉をあることを想定して、希望金額よりも少し高めの価格設定しておきましょう。

といっても、もちろん限度はありますので、仲介してくれる不動産会社に相談の上で検討してみてください。

⑵なるべく早めに買主を募集する
親族から土地を相続したものの、相続税を支払う資金的余裕がないオーナーにはタイムリミットがあります。

相続税の支払い期限に達するまでに、土地を売却して現金を手に入れなければいけないのです。支払い期限は、相続を知った日から「10ヶ月以内」ですので、10ヶ月以内に売却できなければまとまった現金を獲得できず、相続税の支払いができなくなってしまいます。

しかし、タイミングよく条件に見合う買主が現れるとも限りません。期限が迫ってくれば、条件に見合わなくても、しぶしぶ売却せざるを得なくなります。

そういった事態を防ぐために、買主の募集は余裕をもって早めに開始しましょう。

⑶譲渡所得税に注意
土地や建物の売却時には、住民税、譲渡所得税の支払いが発生します。譲渡所得税とは、売却によって最終的に手元に残った利益に対して課される税金です。売却した金額から、取得時の費用や仲介会社への仲介料などの経費を引いた金額が譲渡所得となります。

注意が必要なのは、「譲渡所得税」も「住民税」も、所有期間によって税率が大きく変わるという点です。詳しくは以下の表を確認してみてください。

所得の分類 所有期間 所得税率 住民税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9%
長期譲渡所得 5年超 15% 5%

所有期間が「5年以下」か「5年超え」かによって、税率が倍ほど変わるので、売却前には所有期間をしっかり確認しておきましょう。

ただし、相続した不動産に関しては親の所有期間を引き継ぐことができるため、前任者の所有期間が5年を超えていれば、相続直後に売却したとしても、税率は長期譲渡所得のほうが適用されます。

(注) 平成25年から令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付することになるので注意しましょう。

駐車場経営の場合

駐車場経営の収益性を高めるには、やはり業者に委託せず、オーナー自身が経営するといいでしょう。

その場合、コインパーキングは設備投資が避けられないため、資金なしではじめるなら「月極駐車場」がオススメです。自分で月極駐車場を経営すれば、間に業者を挟まないため委託料もかからず、借主からダイレクトに賃料を受け取ることができます。

ただし、その分デメリットもあります。集客や契約作業を自分でする必要がありますし、稼働状況次第では売上が落ちて経営を圧迫することもあるでしょう。そういったリスクを許容できる方、維持費プラスアルファ程度の利益が残ればいいという方は、自身で駐車場を経営してみるのもありです。

定期借地の場合

借地の場合、不要な損失を生まないためのリスクヘッジが重要となります。あとになって想定外の出費がでないように、契約時に借り手と貸し手との役割を決めておきましょう。

「土地を貸すだけだから、オーナー側が負担することはないのでは?」と思われるかもしれませんが、それは契約内容次第です。

実際、オーナー側が一部の経費を負担することを条件に、賃貸契約を結ぶというケースも少なくありません。弊社がおこなっている借地事業でも、そういった契約形態は多々あります。具体的には、経費区分や建物付帯設備区分、原状回復時の工事区分、中途解約などに関する取り決めをしています。以下、順番に説明します。

⑴経費区分
建物の修繕費用、敷地内の清掃費、各種税金の支払いなど、それぞれ担当を決めておきましょう。

⑵建物附帯設備区分
水道・ガス・電気の設備、空調の設備などにかかる費用も、役割分担を明確に決めておく必要があります。

⑶原状回復
契約満期には借り手に原状回復をしてもらい、更地で土地を返却してもらうことになります。その際に必要な解体業者選びや発注業務、費用の負担なども、細かく区分を決めておくといいでしょう。

⑷中途解約
中途解約については、事前にルールを決めておかないとトラブルの元になります。

「即時解約するためには、賃料を何ヶ月分支払ってもらうのか」「中途解約の申告は何ヶ月前までにしてもらうのか」など、契約書に必ず明記しておきましょう。事前にこういった細かな取り決めをしておくことが、不要な出費やトラブルを防ぐコツと言えます。

等価交換の場合

等価交換において注意した方がいいのは、「権利が複雑化する」ということです。土地も建物もディベロッパーとの共有物となるため、あとあとオーナーの自由に売却できないという制限が生まれます。

仮に、まとまった現金が必要で「物件を売却したい」と思っていても、共同経営者であるディベロッパーの同意を得られなければ、基本的に売却はできません。

売却を巡ってトラブルになれば、最悪法廷で争う可能性も出てきます。そうなれば、不要な弁護費用を払わされる可能性もあるでしょう。そもそも等価交換は「長期的な共同事業」をおこなうことが前提ですので、等価交換に応じるならば、短期的な売却はあまり視野に入れないことをオススメします。

このように、お金を極力かけずに土地活用で収益を生むことは十分可能です。一方で、金銭的に大きなリスクを取るほどリターンが大きいのも土地活用の魅力の1つです。多少お金をかけてでも、土地活用をしてみたいという方は、ぜひ「土地活用のビジネスモデルを紹介!おすすめの活用方法は?」をご参照ください。

土地はあるけどお金がない!という方はプロに相談  

色々と解説してきましたが、「土地はあるけどお金がない」という人の活用の選択肢は、実はそれほど多くありません。たとえば、

  • 「相続などで思いがけず土地を手に入れたため、すぐにでも活用したい」という人は、駐車場経営などで維持費プラスアルファくらいの収益を目指
  • 「土地を相続したが、相続税を支払う経済的余力がない」という人は、できるだけ早めの売却を心がける
  • 「土地を持っているが、数年以上活用していないし資金に余裕もない」という人も、同じく売却を検討してみる

多くの場合、上記のパターンに該当すると思います。

また、本記事で紹介した「定期借地」や「等価交換」を実現できるかどうかは、正直土地のポテンシャルにかかっていると言えます。土地の状態や立地次第では、定期借地も等価交換も実現できず、手の打ちようがないケースもあり得るでしょう。

そもそも、土地活用は資金がある状態でおこなったとしても、収益化までの道のりは簡単ではありません。不動産、建築、ビジネス、法律など、幅広い教養が求められますし、巨額の資金を投じたからといって必ずしも成功するとは限らないのです。そんな土地活用を資金なしの状態ではじめようとすれば、ハードルはより上がります。少なからず、土地活用を専門とするプロの助言が必要となるでしょう。

ですので、もしいま土地を所有されていて、土地活用について相談できる人間や業者がいないのでしたら、土地活用のプロに、一度相談してみることをオススメします。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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