ロードサイド物件の売却を検討している方向けに、ロードサイド物件の買取相場や売却までの流れを解説します。
ロードサイド物件を売却する際の買取相場
こちらでは、ロードサイド物件の買取相場について解説します。
ロードサイド物件の買取価格の相場は利回りで決まる
一般的に土地を売却する際に買取価格の基準となるのは、公示地価、実勢価格、路線価、固定資産税評価額などです。
これらを基準にした買取価格は「都心部の土地が高く、地方の土地が安い」など、エリアごとに大まかな傾向が生まれます。
しかし、ロードサイドの土地の場合は違います。買取価格を決める基準が異なるからです。ロードサイドの場合、「その土地を活用すれば、どれくらいの利回りが出るのか?」が、買取価格を決める際の主な基準となります。
具体的には、
・交通量はどの程度か
・視認性は高いか
・道路から敷地内への導線はスムーズか
・駐車場を確保するスペースはあるか
・周囲に認知度の高いテナントがあるか
・人口動態に問題はないか
・テナントから年間いくらの賃料または地代を得られるか
これらの情報を買主側が調査し、シミュレーションをおこないます。そして「買取額に対して年間何%の利回りが出るのか?」から逆算して、買取価格が決まるのです。
過去に買い取ったロードサイド物件の価格
トチカツプロには、累計100件以上のロードサイド物件を買い取ってきた実績があります。こちらではその中から3つの例を紹介しますので、参考にして下さい。
大阪府のロードサイド
買取価格:
37万円/坪あたり
購入時期:
平成28年(2016年)
土地の特徴:
倉庫などの建設予定地であったものを購入。元々、土地の傾斜部分や隣地との間に崖があり、整形地にするまで長期間を要した。現在はスーパーマーケットとして活用中。
東京都のロードサイド
買取価格:
120万円/坪あたり
購入時期:
平成30年(2018年)
土地の特徴:
従来よりSS(サービスステーション)を営業していた土地(SSとは石油製品販売業に関する店舗およびこれに付随する施設・事務所のこと)。既存建物の解体撤去、リニューアル工事のタイミングで購入。
大阪府のロードサイド
買取価格:
約13万円/坪あたり
購入時期:
平成26年(2014年)
土地の特徴:
現在はコンビニエンスストアとして活用中。コンビニエンスは建物や内装等の型がある程度決まっているため、工期は4ヶ月ほどで完了。
ロードサイド物件を売却する流れ
こちらではロードサイド物件を売却するまでの流れを以下の7ステップに分けて紹介します。
ステップ1:必要書類を準備する
ロードサイド物件を売却するには、おおまかに以下の書類を準備する必要があります。
・登記簿謄本または登記事項証明書
・物件購入時の重要事項説明書
・売買契約書
・固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書
・登記済権利証または登記識別情報
・地積測量図や境界確認書
・建築確認済証および検査済証
・所有不動産の図面・仕様書
・建築設計図書・工事記録書
・耐震診断報告書
厳密には建物付きの土地か土地のみかなど、状況によって必要な書類が異なります。少なくとも建物がある場合は、上記の書類を準備しておけば問題ないでしょう。
ステップ2:不動産業者に査定依頼
不動産業者に査定依頼を出す際は、複数の業者に依頼することをオススメします。査定結果は業者によってばらつきがあるため、相場感を身につける必要があるからです。
また、複数の業者に査定依頼を出すなら、一括査定サイトが便利です。無料で利用できる上に、1度の情報入力で同時に複数の業者に依頼ができます。なお、この時点の査定は「簡易査定」と言われ、業者側が相場をもとにおおよその価格を算出します。
各業者の査定結果を比較検討し、正式に依頼する業者を決めたら、次に「現地調査」を依頼しましょう。現地調査をおこなうことで、土地の状況を踏まえた正確な査定価格を出してくれます。
現地調査の結果報告までにかかる期間は、およそ1週間です。報告内容に問題がなければ、査定は終了となります。
ステップ3:不動産業者と媒介契約を結ぶ
媒介契約とは、不動産業者に買い手を探してもらい、売買契約の仲介を依頼する契約のことです。媒介契約には3つの種類があるので、それぞれ紹介します。
・一般媒介契約
複数の不動産業者と同時に結ぶタイプの契約です。売主自身が買い手を探すこともできます。
売れやすい土地であれば、競争原理によって複数の業者が同時に販売活動をおこなうため、成約しやすいでしょう。逆に、売れにくい土地の場合は競争原理がはたらかず、どの業者も販売活動に消極的になり、売れ残る可能性があります。
・専任媒介契約
1つの不動産業者に絞っておこなうタイプの契約です。一般媒介契約と同様に、売主自身が買い手を探すこともできます。専任媒介契約は、競合がいない分、業者側のリスクが少ないのが特徴です。
先に競合に成約されて骨折り損になる可能性がないため、宣伝費や広告費を割くなど、積極的に販売活動をおこなってくれやすいでしょう。
・専属専任媒介契約
専任媒介契約よりもさらに制約の厳しいタイプの契約です。1つの不動産業者に絞るため他の業者と同時に契約ができず、売主が買い手を探すこともできません。
制約が厳しい分、比較的スムーズに売却しやすいと言われていますが、売却が成功するか否かは完全に業者次第となります。腕の悪い業者と専属専任媒介契約を結んでしまうと、数ヶ月ものあいだ、維持費と時間を無駄にする可能性があるので注意が必要です。
媒介契約は、以上の3つになります。
ロードサイドのように立地の良い土地は、一般媒介契約でも十分売れる可能性があるでしょう。自分で買い手を見つけられる可能性が残っている方は、専任媒介契約を結ぶのもありです。
また、複数の業者とのやりとりが面倒な方や、1日でも早く売りたい方には専属専任媒介契約をオススメします。
ステップ4:販売活動
販売活動は不動産業者がおこなうため、売主が活動に直接関わることはほとんどありません。主な活動内容は「宣伝」と「交渉」です。以下で詳しく解説します。
・宣伝
不動産業者が「レインズ」にロードサイドの土地情報を登録します。レインズとは、不動産業者専用の物件情報検索サイトです。こちらのサイトに登録することで、全国の不動産業者が情報を確認できるようになります。
さらに、業者以外の人も土地の情報を確認できるように、「SUUMO」や「at home」などの不動産情報サイトに情報を登録します。業者によっては、他にも広告を出したり、営業回りをしたりするケースもあるでしょう。
・交渉
土地を買いたい人が現れたら、不動産業者が条件の交渉をおこないます。交渉時に難航しがちなのが「価格」です。
ロードサイドは立地が良いので、多少強気な価格設定でも売れる可能性がありますが、あまりに高額な設定にすると、買い手が手を引く可能性もあります。担当者に相談しながら、慎重に価格設定をしておきましょう。
ステップ5:売買契約を結ぶ
不動産業者と買主との交渉がまとまったら、売買契約を結びます。契約は不動産業者の事務所に集まり、宅地建物取引士(宅建士)の立ち会いのもと、対面でおこなわれるのが一般的です。
宅建士が口頭で重要事項説明書を読んでくれるので、代金の支払いや契約解除などの部分は特に注意して聞きましょう。売主と買主がそれぞれ契約書に署名と捺印し、手付金を買主から受け取れば、契約は完了です。
なお、不動産業者には契約が成立したタイミングで仲介手数料の50%を支払うのが通例です。
ステップ6:決済・引き渡し
後日、買主から残金を受け取り、決済を完了させます。決済完了後、不動産業者に仲介手数料の残り50%を支払いましょう。
法務局での所有権移転登記を司法書士に依頼する場合は、別途依頼料を支払う必要があります。移転登記が終われば、引き渡しは終了です。
ステップ7:確定申告
ロードサイド物件を売却したら、翌年の2月16日〜3月15日の間に確定申告をしましょう。
売却によって利益が出なければしなくても問題ありませんが、利益が出た場合は申告が義務となっています。
申告する方法は大きく以下の3つです。
・郵送を用いて自分で申告する
・各自治体が開催する確定申告会場に行って申告する
・税理士に委託する(10万〜20万円の委託料が発生)
これらのいずれかを選び、確定申告をおこなって下さい。
以上が、ロードサイド物件を売却するまでの流れになります。なお、土地を売却する際の注意点を詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にして下さい。
ロードサイド物件を売却する上でアピールしたいポイント
こちらでは、ロードサイド物件を売却する上でアピールしたいポイントを3つ紹介します。
視認性の高さ
ロードサイド物件は、商用利用することを前提に買い取られるのが一般的です。そのため、ロードサイド特有の「視認性の高さ」は大きなアピールポイントになります。
例えば、物件の前にある道路上の100mほど離れた地点から看板が見えると、高評価になりやすいです。
交通量の多さ
交通量が多いことも、ロードサイド物件の大きなアピールポイントです。物件の前にある道路を通る車やバイクの数の多さが、そのまま集客力の高さとして評価されます。
さらに、敷地面積が広ければ十分な駐車スペースを確保できるので、セットでアピールできるでしょう。
ロードサイドにある店舗はドライバーに位置を覚えてもらいやすく、集客に有利であるため、フランチャイズ店舗を展開する多くの企業から人気があります。交通量が多くなる時間帯や客層など、エリアの特性を合わせて伝えられるとなお良いでしょう。
導線の良さ
ロードサイド物件は、導線が良いかどうかも大事です。車両が出入りしやすい駐車場があれば、テイクアウト需要も見込めるため、大きなアピールポイントになります。
例えば交差点付近の土地は視認性が高く、集客に有利と思われがちですが、実際は違います。交差点付近を運転するドライバーは信号や対向車に注意を向けていることが多く、店舗への視認性が低下しがちだからです。
そのため、交差点付近の物件よりも、交差点から数軒分距離があるロードサイド物件の方が「導線が良い」と判断されます。信号を待っている間にじっくり検討する時間も取れるので、集客にも有利にはたらくためです。
このように、導線が良い立地である場合は、販売活動の際に業者にきちんとアピールしてもらいましょう。
ロードサイド物件を売却する際の相談先の相場は?
最後に、ロードサイド物件を売却する際にオススメの相談先を、相談内容ごとに紹介します。
売却全般に関する相談
売却全般の相談をするなら、やはり不動産業者がオススメです。なお、土地売却の相談に乗れる不動産業者には大きく分けて以下の2種類があります。
・売買の仲介業者
1つは売買の仲介業者です。査定、買主探し、交渉などをまとめておこなってくれます。
仲介実績が多い業者であれば、さまざまな相談に乗ってくれるでしょう。ただし、一言に「売買の仲介」と言っても、得意分野は業者によって異なります。
戸建住宅の売買、集合住宅の売買、工場・倉庫の売買、ロードサイドの売買など、業者によって得意分野が違いますので、注意して下さい。
・土地活用の専門業者
土地活用の専門業者とは、弊社のように土地の売買や土地活用を自社でおこなっている業者のことです。仲介業者との主な違いは、「仲介専門」ではなく「買取や活用の専門」である点です。
自社で売買や活用をおこなっているからこそ、仲介業者よりも専門的な助言やサポートができます。仲介を必要としないため、売却の際に仲介手数料が発生しない点もメリットと言えるでしょう。
税金に関する相談
「売却したら税金はいくらかかるのか?」
「節税のために使える制度はないのか?」
「相続した方がいい?しないで先に売却した方がいい?」
このような疑問を売主が自分で調べるのは少々ハードルが高いため、不動産に詳しい「税理士」に相談しましょう。数は多くないですが、「不動産専門の税理士」「不動産に強い税理士」を称する税理士は一定数存在します。
あまり費用をかけたくない場合は、各自治体が主催する『税理士の無料相談会』を活用するのも有効です。相談会に参加するには、各市町村のホームページや税理士協会のホームページを確認してみて下さい。
なお、土地売却に伴う税金の仕組みや節税対策についてはこちらの記事で解説しています。
境界確定に関する相談
ロードサイド物件に限らず、スムーズな土地売却を実現させるためには、境界確定をおこなう必要があります。境界確定とは、隣地の所有者の立ち会いのもと、土地の境界線を明確にする作業です。
「土地家屋調査士」に依頼して土地を測量してもらい、確定測量図を作成してもらいましょう。費用は敷地面積や土地の状態によって変わりますが、30万円〜80万円が相場と言われています。
なお、すでに確定測量図が手元にある場合は新たに境界確定をおこなう必要はありません。
ロードサイド物件の売却はトチカツプロへ
飲食業界を中心として、多店舗展開をする企業の多くは、常に良質なロードサイド物件を探しています。そのため、売りに出せば多くの企業や不動産業者が手を挙げてロードサイド物件を欲しがるでしょう。
売却先の選択肢が多いからこそ、慎重に選ぶことをオススメします。その点、弊社は過去に100軒以上のロードサイド物件を買い取ってきました。客観的なデータをもとに相場価格を算出し、土地のポテンシャルをしっかり理解した上で、納得感のある買取価格を提案できる自信があります。
少数精鋭の会社だからこそ売却に至るまでのスピードも早く、物件の内容次第では現金での即買取も可能です。ロードサイド物件の売却に関するご相談がありましたら、どうぞお気軽にトチカツプロまでお問合せ下さい。