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店舗開発担当者必見!ロードサイドで飲食店を成功させるための3つのポイント

店舗開発担当者必見!ロードサイドで飲食店を成功させるための3つのポイント

新型コロナ感染症が流行して以来、飲食業界は窮地に立たされています。対面による接触を避けたい人が増えたことで、イートイン型の店舗が苦戦を強いられているのが現状でしょう。

では、今後も飲食店経営が厳しい現状なのかというと、一概には言えません。感染症対策に配慮しつつ売上を立てられるよう、テイクアウトやデリバリー、ドライブスルーに着手した企業も多いです。

そして、そういった営業形態と非常に相性が良いのが「ロードサイド物件」です。ロードサイド物件は交通量の多い道路に面していて、自動車やバイクの進入がスムーズなので、ドライブスルーやデリバリーに向いています。

今回はそんなロードサイド物件について、飲食店を経営する際のメリットやデメリット、飲食店を成功させる3つのポイントについて解説していきます。現在ロードサイドで飲食店の店舗開発を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

ロードサイド物件の強み

ここでは、ロードサイド物件の強みについて解説します。

ロードサイド物件とは

ロードサイド物件とは、交通量の多いバイパス(市街地などの混雑区間を迂回するための道路)や、駅から遠い郊外の幹線道路などに面している物件のことを言います。

ロードサイド物件の強み

ロードサイド物件は主に自動車やバイクによるアクセスを前提としています。そのため、生活圏外の地域からの集客も十分見込めるでしょう。客層はファミリーをメインとして、老若男女問わず幅広い層の来客を期待できるのが魅力です。

また近隣のロードサイドにはホームセンターやドラッグストア、アパレルショップなど、他業種の店舗があることが多いため、ついで買いや複数店舗のハシゴといった相乗効果も期待できます。

ロードサイドで飲食店を経営するメリットとデメリット

ロードサイドの強みについて理解したところで、実際に飲食店を経営する際のメリットとデメリットについてもみていきましょう。

ロードサイドで飲食店を経営するメリット

ロードサイドで飲食店を経営するメリットとデメリット

・利益率が高い
テナントを借りる場合中心街から離れているため、比較的リーズナブルな賃料で広い面積を活用できます。

・駐車場が広い
広い面積を生かして多くの駐車場台数を確保できるので、駅近物件や中心街の物件よりも多くのお客様を受け入れることが可能です。

・相乗効果が狙いやすい
ロードサイドには他業種の店舗が複数集中しているケースが多く、そこからのお客様の流入が期待できます。

・時代のニーズに合っている
カーリースサービスを展開する企業の調査によると、「新型コロナの流行前と比べ、ドライブスルーの利用頻度が増えた」と回答した消費者は全体の66%を占めています。

ドライブスルーとロードサイド物件の相性は抜群なので、ロードサイドで飲食店を営業するならぜひ検討してみてください。(※1)
※1:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000056.000055900.html

ロードサイドで飲食店を経営するデメリット

・競合が多い
ロードサイド物件は飲食店にとってメリットが多い魅力的な物件です。しかし、同時にライバルも発生しやすく、実際多くのロードサイドには大手飲食チェーンの店舗がひしめき合っています。

仮に出店時に競合が少なかったとしても、一度その地域で飲食店の需要があるとわかれば、
競合他社がそれに追随して出店しようとするのも時間の問題です。

・規制への配慮が必要
ロードサイド店舗はほとんどが郊外にあるため、市街化調整区域に指定されていることが多いでしょう。市街化調整区域とは、都市計画法によって決められた区域のひとつです。

都市計画法において市街化調整区域は「環境保全を目的として市街化を抑制する必要がある」とされていて、自治体ごとに許可申請マニュアルや規制が存在します。

例えば、兵庫県姫路市の市街化調整区域で商業施設を建てる際は、「建築物には、20席以上の客席を設置すること」「客席数の3分の1以上の車両が駐車できるスペースを確保すること」などの規制があります。

他にもごみ処理や排水処理に関する規制などがあり、新たに建物を建てる時は遵守しなければならない決まりがあるのです。(※2)

※2:https://www.city.himeji.lg.jp/sangyo/cmsfiles/contents/0000007/7034/2019325152257.pdf

ロードサイドの飲食店の実例

ロードサイドの飲食店の実例

ここからは、実際のロードサイドの飲食店について例を挙げて紹介していきます。

ロードサイドの飲食店の実例〜Italian Kitchen『VANSAN(バンサン)〜

ひとつ目にご紹介するのは、株式会社VANSANが運営するイタリアンレストラン『VANSAN(バンサン)』です。

バンサンは子連れでも本格イタリアンが楽しめるお店として、主婦の人々から人気を博しています。そんなバンサンが2020年10月13日に、初のロードサイド店舗を長野県諏訪市にオープンさせました。

カフェやデザートが特に人気で、ランチやディナーでもデザートの注文数がかなり多いそうです。そのため自社の他店舗よりも客単価が高く、オープンから2週間で売り上げ500万円を突破するという実績を残しています。

また、注文業務をセルフオーダー化したことで、ホールスタッフの業務を最小限に抑えられていて、「極力人との接触を避けたい」という昨今のニーズにも応えることができています。

もちろんテイクアウトやデリバリー販売も積極的に行っており、持ち運びの間に冷めてしまっても美味しく食べられるようなメニューを開発をするなど、ロードサイドという立地の強みをしっかり生かした営業スタイルを確立しています。(※3)
※3:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000107.000034691.html

ロードサイドの飲食店の実例〜かみむら牧場〜

ふたつ目はワタミ株式会社が展開する「幸せの焼肉食べ放題 かみむら牧場」の1号店です。

こちらは2020年5月に東京都大田区にオープンしたロードサイドの飲食店で、コロナ禍のなか11ヶ月で8万人以上の動員を実現させています(2021年4月時点)。

店内には各テーブルに注文用のタッチパネルが設置されていたり、「特急レーン」という回転寿司のシステムを採用したレーンやロボットを使って肉を配膳したりと、感染症対策を考慮した様々な工夫がなされているのです。

料理は基本100分間の食べ放題コースで、3,168円、3,828円、4,818円の3種類から選べます。4,818円のコースはやや価格設定が高めなものの、A5ランクの黒毛和牛が食べ放題となっていて、しっかりとお得感を感じられる内容になっています。

「値段を気にせずお腹いっぱい食べたい!」という食べ放題のニーズに応えつつ、お客様との非接触を徹底するための様々な設備投資が施されているのです。(※4)
※4:https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2104/27/news032_4.html

ロードサイドで飲食店を成功させるための3つのポイント

ロードサイドの飲食店の実例を確認したところで、成功させるためのポイントについても理解していきましょう。

出店希望地域に関する徹底した調査

ロードサイドで飲食店を成功させるための3つのポイント

・求める客層がいるかを調査する
ロードサイド物件に限ったことではないですが、ターゲットとしている客層が希望地域に一定数いることは出店における条件のひとつです。

実際に物件の周囲を歩いて人通りをチェックするのはもちろん、飲食店に限らず周辺にある商業施設がどういった客層を狙っているのかも調べてみると良いでしょう。似た客層を獲得できている店舗があれば、相乗効果を狙える可能性があります。

似た客層をターゲットにして成功している店舗がない場合は、2つの捉え方ができます。ライバル不在でチャンスの可能性もありますが、逆に、その地域にターゲットとなる客層がいない可能性もあるでしょう。

・過去の出店事例を調査する
出店希望地域における過去の出店事例は、重要な参考データとなります。どのような業種の店舗が、いつ出店し、いつ撤退したのか。経営失敗の要因は何だったのか。客層、価格帯、営業時間帯、過去の評判など、可能な限りチェックしてみてください。

そうすることでそのエリアの特徴や価格の相場観をつかめるでしょう。

・都市計画を調査する
出店希望地域を管轄する都市が、具体的にどういった都市計画を進めているかもチェックしておきましょう。

都市計画とは、都市の健全な発展と整備を図ることを目的とした「土地利用の計画」、「道路や公園などの都市施設の整備の計画」、「市街地開発事業の計画」を総称したものです。

例えば、先述した「市街化調整区域」に指定されている場合は、建物の建設時に各自治体の規制に従う必要があります。また、近い将来道路や都市高速鉄道が建設されたり、公園や駐車場がつくられるようであれば、その地域を行き交う人の流れや行動パターンに少なからず影響が出るはずです。

ロードサイドの飲食店にとって、自動車やバイクで来店するお客様がほとんどなので、都市計画が店舗経営に与える影響について、あらかじめ入念に把握しておく必要があります。

ロードサイド物件はここをチェックしよう

ロードサイド物件はここをチェックしよう

・視認性
ロードサイドは交通量が多く、集客に有利であるというメリットがある代わりに、目を留めてもらわなければ一瞬で通り過ぎられてしまうというリスクもあります。

そのリスクを潰すためには、看板やのぼり旗を利用して視認性を高める工夫が必要です。実際に物件の周辺を自動車で運転し、ベストな設置場所はどこかを検討してみましょう。

・駐車場までの導線
自動車やバイクで来店されるお客様への配慮として、駐車場までの導線に注意しましょう。
例えば交差点付近の物件の場合、角に物件がある方が視認性が高くて有利だと思われがちです。

しかし、交差点付近を運転しているドライバーは対向車や右左折車、信号などに気をとられて注意が散漫になりがちなので、店舗に対する視認性を下げる要因になりかねません。

そういう点では、角にある物件よりも角から数件離れた物件の方が、信号待ちで検討する時間もじっくり取れるため、比較的有利と言えるでしょう。

・駐車場の台数
駐車場の必要台数は店舗の業態によって様々ですが、台数不足によってお客様がサービスを利用できないのは大きな機会損失につながるので避けたいところです。

ちなみに大手チェーンの飲食店の場合、少なくとも20台以上は台数を確保しておく方がよいと言われています。

お客様の滞在時間、平均乗車人数、店舗面積、客席数、ピーク時の想定の来店台数などから逆算して、必要な駐車場台数を割り出してみましょう。

・道路の特性
ロードサイド物件で飲食店を営業するなら、目の前の道路の特性をしっかり把握しておきましょう。

例えば、中央分離帯がある道路の場合、原則として片方の道路からしか進入することができません。分離している2つの道路のどちらの方がより交通量が多いのか、事前にチェックしておくことをオススメします。

コロナ禍を考慮した営業形態の模索

コロナ禍を考慮した営業形態の模索

コロナ禍の長期化によって、巣篭もりやデリバリー利用の増加など、消費者のライフスタイルは大きく変わりました。そのため、イートイン型店舗で営業していた飲食店の多くが煽りを受けています。

一方で、順調に売上げを上げ続けている飲食店もあります。先に紹介した「バンサン」と「かみむら牧場」がまさにその対象です。コロナ禍を考慮した戦略として、ポイントは大きく2つと言えるでしょう。

・感染症対策に有効なDXの導入
DXとは、企業がビジネス環境の変化に応じて、デジタル技術や統計を活用し、ビジネスモデルを刷新していくことです。

例に挙げた「バンサン」や「かみむら牧場」も積極的にDXを採用することで、非接触を求めるお客様のニーズにしっかりと応えています。

かつての飲食店用配膳ロボットは買い切りのものがほとんどで、導入費用は安くても150万円〜180万円程かかっていました。

しかし、最近では買い切りタイプよりも初期費用面でハードルの低い「レンタルサービス」も始まっています。

実際、紹介した焼肉店「かみむら牧場」で利用されている配膳ロボットは、ソフトバンクロボティクスが展開する「Servi(サービィ)」というサービスです。

レンタル料金は3年間の利用で、月額99,800円(保守費用込み)となっています。
2021年7月1日現在

使用方法は、操作画面上で目的場所を選んでタップするだけです。配膳後は重量センサーが配膳完了を検知してくれるので、自動で厨房まで戻ってきます。

また、こういったデジタル機器の導入は、感染症対策に繫がるだけでなく、人件費の削減にも有効です。

例えば、時給1000円で1日7時間の労働を20日間おこなうパートスタッフと比較した場合、スタッフの月の人件費が14万円なのに対し、サービィは99,800円なので、40200円の削減ができます。

まさに一石二鳥を実現してくれる配膳ロボットは、今後コロナ禍における飲食店の救世主となり得るかもしれません。

・感染症対策をしてもお店の魅力が損なわれないコンセプト
配膳ロボットや注文パネルなど、非接触を意識した感染症対策は確かに時代のニーズに合っています。しかし、どの飲食店でもプラスに働くかというとそうでもありません。

お客様とのコミュニケーションや接客技術を武器としてきた飲食店にとって非接触の推進は、お店の魅力を半減させてしまう恐れがあるからです。

居心地の良さや店員と会話することの楽しさに価値を感じていたお客様にとって、それがなくなることは大きなマイナスイメージに繋がり、来店意欲を削がれてしまいます。

その点、例として挙げた「バンサン」や「かみむら牧場」は、それぞれ「子連れでも本格イタリアンを楽しめる」ことや「値段を気にせず良質なお肉をお腹いっぱい食べられる」ことこそが強みなので、非接触の状態でもお客様の満足度に直接的な影響はありません。

このようにコロナ禍の特殊なニーズに対応しつつ、それがサービスのクオリティ低下につながらないよう、ターゲットやコンセプトを明確にした上で出店を検討する必要があるでしょう。

まとめ

ロードサイド物件は、中心街の物件と比べてより多くの集客数が見込めたり、周辺の商業施設との相乗効果を期待できたりと、飲食店を営む上でのメリットが複数あります。その上、コロナ禍によって需要が増えたテイクアウトやドライブスルーとの相性も比較的良いと言えるでしょう。

ただし、好立地であることが必ずしも飲食店の成功を約束してくれるわけではありません。

立地の良さはあくまでもお客様のアクセスを促すための潤滑油でしかなく、成功できるか否かは商品やサービスが重要でしょう。

出店したいと考えている場所に自分の求める客層はいるのか、過去にどういう飲食店が成功し、どういう飲食店が失敗しているのか、成功要因・失敗要因は何なのか、しっかりと情報を集めてみてください。

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