土地の個人売買は一般的に合法ですが、取引を成功させるには個人間特有の注意点やコツを知っておく必要があります。それらを知らずに取引をすれば、売却後に土地に関するクレームを受けたり、想定外の税金支払いが発生したりなど、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があるでしょう。
そこで、こちらの記事では土地の個人売買をする上での注意点やコツのほか、土地の個人売買をする上で便利なサービスの紹介もします。土地の売却を検討している方は参考にしてください。
土地の個人売買は可能
「知り合いや友人の中に自分の土地を欲しがっている人がいて、売ろうかどうか迷っている」という方は、今一度冷静に考えることをオススメします。まずは土地の個人売買とはどういう取引なのかを知ってからでも遅くありません。
- 個人間の土地売買に法的な問題はないのか
- どういう場合にオススメの方法なのか
- 個人売買を避けた方が良いケースはあるのか
これらの疑問に回答するので、参考にしてください。
土地の個人売買は合法
まず、土地の個人売買は合法な取引です。不動産業者を介さずとも、原則として売主と買主双方の合意があれば、直接土地の売買をすることは可能です。
ただし、合法とはいえ取引は慎重におこなう必要があります。土地売買は扱う金額が大きいため、何らかの原因でどちらかが損をすれば、関係性に支障が出たり、トラブルに発展する可能性があります。
取引相手が知人や友人であれば、なおさら慎重に話を進める必要があるでしょう。そのため、契約内容の吟味や法的手続きへの理解など、最低限の知識を身につけてから取引をおこなうことが肝要です。
取引相手は知人がオススメ
土地の個人売買を成功させる最低条件の1つは、取引相手と信頼関係を築き、円滑なコミュニケーションをおこなうことです。
そういった意味では、赤の他人よりも知人や友人の方が取引相手としては都合が良いでしょう。特に以下のようなケースに該当する場合は、個人売買でも大きな問題は起きにくいと言えます。
- 隣地の所有者に土地を売りたいケース
- 借地人に底地を売りたいケース
- 買主が知人や友人、親族であるケース
- 関連会社間で売りたいまたは法人の代表者同士で取引したいケース
上記のケースで個人売買がオススメな理由は大きく2つです。1つは買主から敵対的な責任追及をされる可能性が低いこと、もう1つは買主が土地について熟知している可能性が高いことです。
土地売買では、売主側に「契約不適合責任」が課されます。契約不適合責任とは、買った土地の詳細が契約内容と異なっていた場合に果たさなければならない補償や賠償などの責任のことです。
例えば、契約書に「地中には何も埋設物がない」と記載していたにもかかわらず、撤去が必要な埋設物があったなどのケースが該当します。一般的にそのような瑕疵(かし)が発見されたら、売主は買主から損害賠償や補修請求、契約解除を請求される可能性があります。
その点、買主が親しい人間であれば、そのような敵対的な追及をしてくる可能性は低く、当事者同士で話し合って解決することもできるでしょう。また、元々売る土地について詳しく知っている人物であれば、売却後に瑕疵を指摘される可能性も下がるので、一石二鳥と言えます。
個人売買を避けた方がいいケース
土地の個人売買を避けた方がいいケースもあります。例えば、売主と買主の両方に不動産の知識が不足していたり、土地売買の取引経験が皆無だったりするケースです。
双方に知識や経験がないとトラブル予防が難しいのと、問題が起きた際の責任の分担も難しくなります。売主と買主のどちらも土地売買に疎い場合は専門家のアドバイスを受けるか、不動産業者を介しておこなう方が懸命と言えるでしょう。
土地を個人売買するメリット・デメリット
土地の個人売買は、自由度が高く、仲介手数料が発生しないなどのメリットがある一方で、デメリットも存在します。そこでこちらでは、土地を個人売買する場合のメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
メリット⑴仲介手数料や税金の節約が可能
不動産業者を介して土地売買をおこなった場合、不動産業者に支払う仲介手数料が発生します。手数料の計算方法は、取引価格に対して「最大3%+ 6万円」です。
そのため、仮に取引価格が1000万円であれば手数料は36万円、2000万円であれば手数料は66万円となります。その点、個人売買では手数料が不要なので、これらの出費を抑えられるのです。
さらに、仲介手数料には消費税がかかるので、消費税の節税にも繋がります。仲介手数料や消費税の支払いをカットできるのは、扱う土地の規模次第ではかなり大きなメリットと言えるでしょう。
メリット⑵取引の自由度が高い
売主と買主が顔見知りである場合、土地売買は取引の自由土がかなり高くなります。取引価格、支払い方法、引き渡しのタイミング、売買のスケジュールなど、柔軟に交渉や調整ができるでしょう。
ただし、自由度が高い分、契約書の中身や法的な事項については、双方慎重に確認をする必要があります。そして、互いに合意した旨を文書化しておくことで、後々のトラブル防止につなげましょう。
デメリット⑴買い手を見つけづらい
隣地の所有者や知人、友人、親族など、すでに買い手がいれば問題ないですが、ゼロから自力で個人の買い手を見つけるのは中々ハードルが高いです。特に、立地がよくなかったり、土地の形状が特殊である場合、買い手を探すのはさらに難しくなります。
仮に買い手の候補を見つけたとしても、信頼関係をゼロから構築するところから始める必要があります。信用に足る人物かどうかを自力で見定めるのも一苦労でしょう。
そのため、どうしても個人売買である必要がないのであれば、不動産業者を介して売ることをオススメします。営業活動や広告・宣伝、独自のネットワークなど、不動産業者には個人にはない武器が豊富にあるからです。
デメリット⑵トラブルがつきもの
繰り返しになりますが、土地の個人売買にはトラブルがつきものです。間を取り持って双方の希望を聞いたり、契約内容を細かく確認したりする人間がいないためです。
土地の境界確定や隣地所有者とのやりとり、法的な義務の遵守など、取引が成立するまでにさまざまなリスクがあります。土地の売買に詳しい専門家のアドバイスを受けながら、リスクを最小限に抑える必要があるでしょう。
デメリット⑶手間と時間がかかる
意外と忘れがちなのが、土地の個人売買は手間と時間がかなりかかることです。不動産業者がいないので、買い手探しや交渉、契約内容の考案、契約書の作成、法的な手続きなど、あらゆる作業を自分でおこなう必要があります。
万全を期して取引しようとすればするほど、手間と時間は増えるので覚悟しておく必要があります。場合によっては、司法書士に作業の一部を依頼して手伝ってもらうといいでしょう。
土地を個人売買する流れ
個人間の取引とはいえ、土地売買は慎重に手順を踏まないと思わぬトラブルに発展することがあります。そこで、こちらでは土地を個人売買する流れを解説します。
⑴ 土地の相場を調査
土地を売る際は個人間かどうかにかかわらず、まずは相場を調べることが重要です。なぜなら、きちんと相場を把握しておかないと、取引相手に優位に取引を進められる可能性があるからです。
具体的には周辺の不動産取引データ、類似物件の価格などを調べます。土地総合情報システム(国土交通省)というサイトを使えば、それらの情報を確認できます(※1)。
また、身近に不動産業界の知り合いがいれば、周辺の価格相場を調べてもらうといいでしょう。このようにして調べた客観的な情報を基に、取引価格を設定することが重要です。
⑵ 書類を準備
土地売買ではさまざまな書類が必要になります。仲介業者がいれば用意する書類を指定してくれますが、個人間での取引の場合は売主が自分で考えて用意する必要があります。具体的には以下の書類が必要です。
- 登記済権利証
- 地積測量図・境界確認書
- 固定資産税納税通知書
- 印鑑証明
- 身分証明書
- 不動産売買契約書
⑶ 価格を決定
調べた情報を基に、土地の価格を決定します。親族や友人など、買主との距離感が近い場合は話し合いで決まることもありますが、一般的には売主が自分で決めるものです。
土地売買の取引では買主側から値下げの交渉をされるのが常ですので、価格設定時は相場よりも少々高めにすることがポイントです。
⑷ 買主探し
買主は闇雲に探しても見つかりません。中にはこちらを騙してお金を搾取しようとする人もいるので注意が必要です。
そのため、可能であれば親戚、友人などの身近な人間から声をかけることをオススメします。本格的に買主を募集する場合は、個人売買向けのマッチングサイトを利用してもいいでしょう。無料で利用できて、掲載期間が無制限のサイトも多いです。
⑸ 価格交渉
仲介業者がいる場合は価格交渉を代わりにおこなってくれますが、個人売買では売主自身が対応します。互いの条件をすり合わせて、お互いに納得のいく取引価格を決定しましょう。
⑹ 売買契約
取引価格が決定したら、次は売買契約を結ぶための契約書を作成します。こちらも本来は仲介業者がおこなってくれる作業ですが、個人売買では自分たちでおこなう必要があります。
インターネット上に無料のテンプレートがあるので活用するといいでしょう。不動産関連の法律は不定期で改正されることが珍しくないので、きちんと現行の法律に沿った内容にする必要があります。不備や間違いがあれば、後でトラブルが発生する可能性もあるので慎重に作成しましょう。
⑺ 決済・引き渡し
売買契約を交わし、決済が完了したら、後日土地の引き渡しをおこないます。万が一、引き渡し後に契約書の内容に反するような土地の不備が見つかった場合、売主はそれに対応しなければなりません。これを「契約不適合責任」といい、民法第566条で定められています。
不備とは、たとえば地中に埋設物があって建物を建てられなかったり、地盤が弱くて改良工事が必要だったりなどです。このような状況にならないよう、土地の状態は事前に把握した上で引き渡しをしましょう。
土地の個人売買が可能なサービス
従来、土地の個人売買をするには個人的なつながりから買い手を探すのが主流でした。しかし、最近では土地の個人売買をサポートするサービスが豊富にあります。隣地の所有者や知人、親族の中から買い手が見つからない場合、以下のようなサイトの活用が可能です。
e-物件情報
e-物件情報とは、売主と買主、また貸主と借主を繋げるための不動産広告サイトです(※2)。売買でも賃貸でも、個人間による不動産の直接取引が可能です。サイトには土地だけでなく、戸建やアパート・マンションなども掲載できます。
※2「e-物件情報」
不動産直売所
不動産直売所は、不要な土地や放棄したい不動産を売買できる無料の広告サービスです(※3)。売る側も買う側も無料でサービスを利用できます。特に不動産業者に仲介を断られた物件や売れ残った物件をお持ちの売主様にオススメのサービスです。
※3「不動産直売所」
ジモティー
ジモティーは不用品を売買したり、無料で引き取ってもらったりできるサービスです。誰でも無料で利用でき、全国を対象に多数の不動産を扱っています(※4)。
なお、それぞれのサービスの内容を比較した表は以下の通りです。
掲載費用 | 掲載期限 | 掲載可能な不動産 | サービスの特徴 | |
e-物件情報 | スタンダードコース3,300円シルバーコース6,600円ゴールドコース11,000円仲介手数料は無料 | なし | 土地・戸建て・マンション・事業用建物・土地・貸地・家・賃貸 | ・エージェントによるサポートがある・掲載期限がなし |
ジモティー | 無料 | 2ヶ月 | 制限なし | ・完全無料・取引相手と直接メッセージのやりとりができる |
不動産直売所 | 仲介手数料および掲載料は無料 | なし | 国内の物件 | ・完全無料・複数の物件を掲載できる・売れない場合は処分してもらえる |
土地の個人売買で発生する費用
こちらでは、土地の個人売買で発生する費用を「売主側」と「買主側」とに分けて解説します。
売主側に発生する費用
売主側に発生する費用は以下の通りです。
印紙税
土地を売る際は売買契約書に収入印紙を貼る必要があり、それに伴って印紙税の支払いが発生します。なお、印紙税は土地の取引価格に応じて一定の割合で課税されます。詳しい税率は国税庁のサイトを参照してください。
登録免許税
土地の所有権を変更するためには登記手続きが必要であり、それに伴って登録免許税がかかります。まず、所有権移転の登記は一般的に買主側が負担することが多いです。費用としては「土地の評価額×2%」の登録免許税がかかります。
また、元々土地に抵当権が設定されていた場合、売主はそれを抹消してから引き渡さなければなりません。抵当権を抹消する費用は不動産1つあたり1000円です。
なお、買主が新たに抵当権を設定する場合も登記作業が必要です。その場合は、ローンの借入金額×0.4%が登録免許税としてかかります。
司法書士への依頼料
土地の売買契約書の作成、登記手続きなどを自分でおこなうことが難しい場合、司法書士に依頼することが可能です。ただし、その場合は別途司法書士への報酬が発生します。費用は不動産の数や規模によって変わりますが、一般的には10万円〜15万円であることが多いです。
測量費用
隣地や道路との境界を確定させるための測量をするために、土地家屋調査士に依頼する費用です。費用は土地の広さや、隣接する土地の種類(民間の土地か国・行政の土地か)によって異なります。相場としては、民間の土地にのみ接する場合は40万円前後、国や行政の土地に接する場合は70万円前後です。
譲渡所得税
土地を売却して利益が出たら、その利益(譲渡所得)に対して譲渡所得税が課されます。譲渡所得の計算方法は以下の通りです。
譲渡所得=取引価格ー(取得費用+譲渡費用)ー特別控除
上記の計算式に出てくる用語の詳細は以下の通りです。
取得費用:土地の購入費、購入時の仲介業者への手数料など
譲渡費用:土地を売るためにかかった費用、解体費用や測量費用、仲介業者への手数料など
特別控除:確定申告の際に適用される税金の軽減措置
買主側に発生する費用
買主側に発生する費用は以下の通りです。
ローン手数料
買主が購入の際に住宅ローンを活用する場合は、別途事務手数料がかかります。
固定資産税の精算
固定資産税は引き渡しの時期に応じて、買主と売主とで分けて支払います。
不動産取得税
不動産取得税は、有償か無償かにかかわらず、土地や家屋を購入・取得した際に課される税金です。個人間の売買であっても、買主は不動産取得税を支払う必要があります。
土地の個人売買における必要書類
不動産業者を介して売買取引をする場合と同様に、個人売買においても書類の準備が大切です。必要書類が揃っていないと、売却スケジュールに支障が出たり、後々トラブルに発展する可能性があるからです。そこでこちらでは、土地の個人売買において必要な書類を「売買契約前」と「売買契約時」とに分けて解説します。
売買契約前に必要な書類
売買契約前に用意しておく書類は登記簿謄本、固定資産税評価額証明書、公図の3つです。それぞれ詳しく紹介します。
登記簿謄本
登記簿謄本は、どのような物件なのか、所有者は誰か、担保はあるかなど、不動産に関する情報が記載された公的な書類です。法務局に保管されており、登記事項証明書と呼ばれることもあります。
登記簿謄本を取得するには、大きく3つの方法があります。法務局で直接請求する、郵送で請求する、オンライン登記事項証明書請求をする、以上の3つです。なお、請求は480円〜600ほどの手数料がかかります。
固定資産税評価額証明書
固定資産税評価額証明書とは、土地や家屋などの不動産の評価額を証明するものです。評価額は総理大臣が決めた基準に沿って、各自治体が決定しています。
取得方法ですが、東京都23区の場合は都税事務所で取得が可能です。それ以外の地域では、自治体の窓口で取得できます(郵送も可能)。なお、手数料は1筆または1棟につき300円前後かかります。
公図
公図とは、土地の区書きや位置、形状、地番などが記入されている地図で、法務局で保管されています。法務局の他、各支局や出張所で取得可能です。注意点として、公図の取得では「地番」の情報が必要になります。地番は登記所にあるブルーマップで確認可能です。
売買契約時に必要な書類
売買契約時には多くの書類が必要となります。漏れがないようにしっかり揃えましょう。
権利証
権利証とは、その不動産の持ち主であることを示す12ケタの数字が書かれた書類です。登記済証と呼ばれることもあります。不動産を取得したときに法務局から交付されるので、自分から発行する必要はありません。再発行には時間がかかるので、売買スケジュールに支障をきたす可能性があります。失くさないように大事に保管しておきましょう。
印鑑証明書
印鑑証明書とは、印鑑が本物であることを証明する書類です。売買取引のように所有権の移転登記をするさいは必ず必要になります。
各自治体の窓口で取得可能であり、申請の際は印鑑登録証・住民基本台帳カード・マイナンバーカードのうちのどれかと、本人確認証、数百円の手数料が必要です。なお、印鑑証明書は契約の3ヶ月以内に取得したものでなければならないため、取得日には十分に注意しましょう。
本人確認書
運転免許証やパスポートなど、氏名や住所、生年月日を確認できるものが必要です。コピーや複製は無効ですので、必ず原本を用意してください。
住民票
登記簿上の住所と印鑑証明書に記載された住所が異なる場合、住民票が必要です。各自治体の窓口で取得するか、マイナンバーカードがあればコンビニでも取得できます。
登記簿謄本・固定資産税評価額証明証
契約前に準備していた2つの書類が必要です。
実印
実印とは、各自治体で実印登録をしている印鑑のことです。使う機会は2度あり、1度目は売買契約書への捺印です。必ず実印である必要はないですが、一般的には実印が推奨されています。2度目は所有権移転登記の際に必要です。こちらは必ず実印でなければいけません。
土地の個人売買を成功させるコツ4選
土地の売買は不動産業者を介していても、失敗したりトラブルが発生したりするケースがあります。そのため、個人間で売買をするのであれば、なおさら慎重に取引をおこなう必要があるでしょう。そこで、こちらでは土地の個人売買を成功させるコツを4つ紹介します。
取引相手を入念に調査する
不動産の売買取引をした経験が浅い者同士で取引をする場合、十分に取引相手を調査することをオススメします。特に、取引相手が顔見知りでない場合は詐欺行為の被害に遭う可能性もあります。契約者は実在する人物なのか、目の前の人物は契約者本人なのか、入念に調査しましょう。
実際、身元を詐称した土地取引による詐欺行為は過去に多くの事例があります。被害が深刻化していることから、国土交通省や国民生活センターから国民へ注意喚起をしているほどです(※5)。油断せず、誰が取引相手であっても、きちんと素性を調査しましょう。
書類作成は専門家に依頼する
売買契約書など、土地売買に必要な書類の作成は司法書士に任せることをオススメします。作成自体は行政書士にもできますが、登記申請の代理権がないため、多くの場合は司法書士に依頼します。
契約不適合責任の取り決めをしておく
契約不適合責任とは、土地の引き渡し後に契約書に記載されていなかった問題が見つかった際、契約の解除や補償を求められる責任のことを言います。問題とは、たとえば地下の埋設物が見つかったり、地盤が弱体化していることが判明したりなどです。
逆に、こういった問題を事前に把握し、契約書を交わす際に買主の同意を得ていれば、あとで何か問題が起きても責任は問われません。そのため、土地や家屋に少しでも問題に発展しそうな欠陥があれば、きちんと説明をし、契約書に記載した上で同意をもらう必要があります。
土地の境界確定をしておく
長年取引がなかったような土地は、隣地との境界を証明する書類がなく、曖昧になっているケースが少なくありません。そのような状況では中々買い手がつかないですし、買い手がついたとしても、引き渡し後に問題が起こる可能性があります。
そのため、スムーズに土地売却を進めるためには、境界確定を済ませておくことが重要です。業者への依頼開始から作業完了までは短くても1ヶ月、長くて3ヶ月程度かかりますので、早めに着手することをオススメします。
土地を個人売買する際の注意点7選
s土地を個人売買する際は、本来仲介業者がおこなってくれる作業をすべて自分たちでおこなう必要があります。
土地取引のプロがおこなうわけではないので、わずかなミスや伝達漏れなどが起こる可能性はいくらでもあるでしょう。それがトラブルや訴訟問題にまで発展する可能性もあります。そこで、最後に土地を個人売買する際の注意点を7つ紹介します。
価格の妥当性
土地の個人売買では、仲介業者が存在しないため、基本的に価格は売主が自由に決められます。妥当な価格であれば問題ありませんが、相場に対して安過ぎる価格設定にすれば、大きく損をする可能性があります。
逆に高過ぎる価格設定にすれば、中々買い手がつかずに売れ残る可能性があるでしょう。不動産売買のポータルサイトで近隣エリアの相場を確認したり、不動産に詳しい知人に相談したりして、妥当な価格設定にしましょう。
口約束には注意
個人間の売買取引は仲介業者が間に入らないので、あらゆる確認不足や認識の違いが起こる可能性があります。
特に起こりがちなのが「口約束」を発端とするトラブルです。たとえば、契約書に記載されていない内容について「言ったか言っていないか」を議論するような事態が考えられます。このような論争は基本的に決着のつけようがありませんので、重要な取り決めは必ず契約書に記載して、違いに同意を得ておきましょう。
売買契約書は2種類ある
通常、仲介業者を介して土地売買をおこなう際は、登記簿謄本に記載された情報をもとに、売買対象となる面積が決まります。このような取引を「公簿売買」と言います。
これに対して登記簿謄本の情報ではなく、実測によって判明した面積をもとに取引をおこなうことを「実測売買」と言います。実測売買で取引をした方がトラブルは起こりにくいのですが、現実としては公簿売買による取引のほうが圧倒的に多いです。当事者同士で話し合い、どちらのタイプの契約書を結ぶべきかを決めましょう。
印紙の貼り忘れ
土地の売買契約書は課税文書であるため、個人間の取引であっても、必ず印紙を貼らなければなりません。
貼り忘れていた状態で、仮に何らかの理由で買主に税務調査が入った際、売主にまで過怠税(かたいぜい)が課せられる可能性があります。過怠税とは、印紙税法20条で定められているもので、課税文書の作成時に印紙税を正しく納付しなかった場合に課せられる税金です。
継続的に売買するなら免許が必要
土地の売買は個人間でも可能と伝えましたが、継続的に売買取引をするのは経済行為とみなされるため、宅建業者の免許が必要です。具体的には、数ヶ月以内に複数回の転売をしたり、区分けした土地を個人間で売買したりなどです。
法律上の明確な基準はありませんが、判断が難しい場合は仲介業者に依頼した方が無難でしょう。
みなし贈与によって課税される可能性
土地の個人売買で注意したいのは、状況次第で買主側に贈与税が課せられる可能性がある点です。たとえば、相場よりも大幅に安い価格で親族に土地を売った場合に「みなし贈与」とみなされるなどです。みなし贈与とは、本来の贈与以外の形式で財産の受け渡しをおこなうことです。
110万円未満の贈与なら非課税ですが、それ以上の価格で取引する場合は課税の可能性があります。実際に個人間で取引して贈与税を課されるリスクがあるかどうかは、税理士に相談することをオススメします。
買主側はローン審査が厳しくなる
そもそも土地の売買取引でローンを利用する場合、買主は厳しい審査を受けます。個人間の売買ともなれば、審査はますます厳しくなるのが一般的です。
ローンの仕組みは、土地や家屋を担保とすることと引き換えに、購入費用の一部や全額を貸すものですので、担保となる土地の価値を十分に把握できなければ、金融機関側のリスクが高まります。個人間の取引の場合はそもそもローンを提供している金融機関が少ないため、かなりハードルは高いと言えるでしょう。
土地売買のご相談なら近畿住宅流通へ
お伝えしたように、個人間での土地売買は合法であり、不動産業者を介さずにおこなっても何の問題もありません。しかし、個人間での土地売買は手間や時間がかかったり、トラブルが発生しやすかったりなどのリスクもあります。
リスクを踏まえた上で、それでも個人間での売買にメリットを感じる方はぜひ記事の内容を参考に実践してみてください。逆に、個人間での売買にあまりメリットを感じていない方は、不動産業者を介して売却するか、弊社のような土地の買取業者への売却をご検討ください。
弊社は創業以来100件以上の土地買取をおこなってきた土地買取のプロフェッショナルです。少数精鋭ならではのスピーディなご対応が可能であり、条件次第では査定当日に即日買取することも可能です。土地売買でお困りのことがございましたら、お気軽に近畿住宅流通までお問合せください。