土地や建物を売却するには、様々な書類の作成・取得が必要です。そこでこちらの記事では、これから土地や建物を売却する方を対象に、必要書類の種類と取得方法を解説します。
土地や建物の売却および引き渡しの際の必要書類一覧
書類が必要となるタイミングを大きく分けると、「不動産業者に依頼する時」と「土地や建物を引き渡す時」の2回です。それぞれ、売却対象ごとに必要書類の有無をまとめたのでご参照ください。
土地や建物の売却を不動産業者に依頼する際の必要書類
書類 | 土地 | 一戸建て | マンション |
登記簿謄本または登記事項証明書 | ◯ | ◯ | ◯ |
物件購入時の重要事項説明書 | ◯ | ◯ | ◯ |
売買契約書 | ◯ | ◯ | ◯ |
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書 | ◯ | ◯ | ◯ |
登記済権利書または登記識別情報 | ◯ | ◯ | ◯ |
地積測量図や境界確認書 | ◯ | ◯ | ◯ |
建築確認済証および検査済証 | ◯ | ||
所有不動産の図面・仕様書 | ◯ | ◯ | |
建築設計図書・工事記録書 | △ | △ | |
耐震診断報告書 | △ | △ |
土地や建物を引き渡す際の必要書類
書類 | 土地 | 一戸建て | マンション |
本人確認書類 | ◯ | ◯ | ◯ |
住民票 | △ | △ | △ |
実印・印鑑証明書 | ◯ | ◯ | ◯ |
通帳 | △ | △ | △ |
ローン残高証明書 | △ | △ | △ |
土地や建物の売却を不動産業者に依頼する際の必要書類の取得方法
続いて、不動産業者に依頼する際に必要な書類の取得方法を解説します。
登記簿謄本または登記事項証明書
土地や建物を売却するためには、登記簿謄本または登記事項証明書が必要です。取得方法は法務局で発行する方法と、オンラインで申請する方法の2つがあります。
・法務局で発行する方法
法務局か最寄りの法務局出張所の窓口で申請をおこない、1通につき600円の手数料を払えば発行してもらえます。なお申請の際は不動産の所在地番、家屋番号などの情報を記載する必要があるため、あらかじめ控えておきましょう。
・オンラインで申請する方法
法務局のサイトを使えば、自宅や会社からオンラインで交付請求ができます(※1)。請求した書類は自宅や会社に郵送してもらうか、最寄りの出張所や法務局証明サービスセンターで受け取ることが可能です。窓口で請求するよりも手数料が安くなるのでオススメです。
請求場所 | 手数料 |
法務局や出張所の窓口 | 600円 |
オンライン | ・郵送で受け取る場合は500円・出張所や法務局証明サービスセンターで受け取る場合は480円 |
※1「登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です」(法務局)
土地や建物購入時の重要事項説明書
土地や建物を購入した際に受け取った重要事項説明書が必要です。必須ではありませんが、重要事項説明書には土壌汚染の有無や過去の浸水履歴の他、周辺環境の注意事項など、その土地に関する様々な情報が記載されています。
スムーズな売買取引をおこなうために、不動産業者に相談する際は購入時の重要事項説明書を持参することをオススメします。
土地や建物購入時の売買契約書
土地や建物を売却する上で、購入時の売買契約書を保管しておくことはとても重要です。
なぜなら、売買契約書に記載されている売買代金をもとに譲渡所得の計算をするからです。譲渡所得とは土地や建物を売却して得られる利益のことで、譲渡所得には所得税や住民税が課せられます。
譲渡所得を計算する際に購入時の取得費用を差し引くため、正しい取得費用の情報が必要となります。また、譲渡所得に課せられる税は、土地や建物を所有していた期間によって税率が大きく変わるため、契約日や引き渡し日の情報が記載された売買契約書がやはり必要です。
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書
土地や建物の移転登記をおこなう際、登録免許税の支払いが発生します。そして、登録免許税の計算をするために必要な書類が、固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書です。
固定資産税は、1月1日の時点で土地や建物を所有している人物に課税されますが、その後売買がおこなわれると、所有日数に応じて支払い額が再調整され、一部は売主に返金されます。また、これらの書類で固定資産評価額を確認できるため、価格設定を考えるのにも活用できます。
なお、こちらの書類は再発行ができないため、厳重に保管しておきましょう。万が一紛失してしまった場合、土地家屋課税台帳の写しを取得すれば、通知書と同じ内容を確認できます。市町村役場の担当窓口で申請し、1枚につき300円の手数料を払えば、台帳の写しを取得可能です。
登記済権利証または登記識別情報
売却予定の土地や建物が自分のものであることを証明するために必要な書類が、登記済権利証(または登記識別情報)です。こちらは法務局が登記名義人に対して交付するもので、『登記・供託オンライン申請システム』によってオンラインで取得できます(※2)。
地積測量図や境界確認書
地積測量図・境界確認書とは、土地の面積や境界線の位置などが記載されている書類です。
隣地の所有者と後々トラブルが発生しないために取得しておく必要があります。取得方法は、法務局または最寄りの出張所の窓口で申請する方法と、オンラインで申請する方法の2つです。
・法務局または最寄りの出張所の窓口で申請する方法
管轄に関係なく、法務局または最寄の出張所で申請が可能です。申請書に必要事項を記入し、1つにつき450円の収入印紙を貼り、窓口に提出して下さい。
・オンラインで申請する方法
窓口に行かずに申請したい方は登記・供託オンライン申請システム『登記・供託オンライン申請システム』を利用してください(※3)。
平日の午前8時30分から午後9時まで利用が可能で、手数料は365円と窓口で申請するより安く済みます。なお、登記申請システムから申請した場合はインターネットバンキングによる納付が可能です。
建築確認済証および検査済証
戸建を売却する際に必要なのが「建築確認済証および検査済証」です。これらの書類は、対象の不動産が建築基準法の基準を満たして建てられたことを証明するものですので、買主に安心して購入してもらうために必要な書類です。
建築計画概要書は、市区町村の建築指導課の窓口で申請すれば、1通当たり100円~500円で発行してもらえます。
所有不動産の図面・仕様書
不動産の図面・仕様書は円滑に販促活動をおこなう上で必要となる書類です。建物が建築される際に、設計事務所や工務店から受け取り、保管しておきましょう。
図面や仕様書には建物の間取りや設備の情報が記載されています。これらの情報を始めから仲介業者に開示しておくことで、内覧数が増える可能性があります。不動産業者の担当者にお願いして、『レインズ』という物件情報共有システムに情報を掲載してもらいましょう。
建築設計図書・工事記録書
こちらは、対象の建物がどのように設計され、工事されたのかを確認できる書類です。建物の構造や雨風への強度などが記載されているので、買い手がリフォームをする際に有効な情報となります。
耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書
新耐震基準導入前(昭和56年6月1日以前)に建てられた物件を売買する際、過去に耐震診断を受けていたら報告書を提示しましょう。同様に、アスベスト使用調査についても報告書があれば準備しておくといいです。
その他(管理規約や使用細則など)
売却する不動産がアパート・マンションなどの集合住宅であり、オーナーに権利を移転する場合は、管理規約や使用細則、維持費関連の書類を用意しておきましょう。特に維持費関連の書類は、買い手が収支のシミュレーションをする上で欠かせないものです。
土地や建物を買主に引き渡す際の必要書類の取得方法
続いて、土地や建物を買主に引き渡す際の必要書類を取得する方法を解説します。
本人確認が可能な書類
運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど、売主の本人確認ができる公的な書類が必要です。いずれも有効期限切れに注意し、必要であれば余裕を持って更新をしておきましょう。
住民票
売主の現住所が登記上の住所と異なる場合は、発行から3ヶ月以内の住民票が必要です。
最寄りの市区町村の役場の窓口、あるいはコンビニで取得できます。なお、コンビニで取得する際はマイナンバーカードが必要ですので注意してください。
実印・印鑑証明書
本人確認のために印鑑証明書が必要ですので、あらかじめ印鑑登録をしておきましょう。
印鑑証明書は市区町村の役場の窓口か、自治体次第ではコンビニで取得することができます。なお、不動産を共有名義にしている場合は、名義人全員の証明書を用意する必要があります。
通帳
一般的に土地や建物の売買金額は大金になるので、銀行振込で取引されるのが通例です。買主に口座情報(支店番号や口座番号)を正確に伝えられるように、通帳またはキャッシュカードを用意しておきましょう。
年末残高証明書
年末残高証明書とは、12月31日の時点で住宅ローンの残高がいくらなのかを証明する書類です。住宅ローンの残債がある場合、こちらの書類を確認して残債の総額を買主に伝える必要があります。
基本的には金融機関や住宅金融支援機構から10月〜11月頃に送付されます。紛失した場合は窓口で再発行の申請をしましょう。
その他
アパート・マンションなどの集合住宅を売却する場合、管理規約や使用細則、維持費関連の書類などがあれば、買主に渡しましょう。
土地や建物の売却は近畿住宅流通へご相談ください
土地や建物の売却方法は、大きく分けて2つあります。「仲介業者に依頼して買主を探してもらう方法」と「不動産業者に直接売る方法」です。
一般的には仲介業者に依頼する人が多いですが、弊社のような土地活用の専門業者に直接売るのも有効です。業者に直接売るなんてハードルが高いと思われるかもしれませんが、意外とそうでもありません。
実際、弊社はこれまで多くの地主の方々に対し、土地や建物の買い取りをおこなってきました。仲介業者を介さないことで仲介手数料が浮くので、売主様からもご好評をいただいています。
条件さえ合えば、すぐにでも査定もしくは現地調査をすることも可能ですので、土地や建物の売却でお困りのことがございましたら、どうぞお気軽にトチカツプロにご相談ください。