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小さい土地の活用アイデア6選!狭小地でもできる土地活用

土地活用の中でも、難易度が高いと思われがちなのが「小さい土地の活用」です。

いわゆる「狭小地」と呼ばれるもので、敷地面積がおよそ「20坪以下の土地」を指します。
面積が小さい上に、土地の形状が変形していることも多く、活用方法に悩むオーナーは少なくありません。

そこで、こちらの記事では小さな土地の活用方法に悩んでいるオーナー向けに、小さい土地を活用するメリットや、6つの活用アイデアについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。

目次

小さい土地を活用するメリット

小さい土地を活用するメリット

まず、小さい土地を活用するメリットについて解説します。

固定資産税が安い

土地の評価は、敷地面積の大小に比例しやすいです。

面積が広いほど土地の評価は上がり、固定資産税が高くなります。同様に、面積が狭いほど評価が下がり、固定資産税は安くなるのです。

小さい土地は維持費の負担が軽く済むことがメリットです。きちんと活用をすれば、維持費以上の利益を出すことは難しくないでしょう。

初期費用を抑えやすい

広い土地と比べて、「初期費用を抑えやすい」という点もメリットです。

例えば、アパートを建設して賃貸経営をするなら、基本的には敷地面積が狭いほど初期費用を抑えやすくなります。使用する資材の量が減りますし、工事に必要な人手も少なくて済むためです。

ただし、初期費用が少ないということは、建物の規模がスケールダウンするということであり、部屋数が少ない・狭いといったマイナス要素も生まれるでしょう。

立地次第では高い収益を見込める

小さい土地は、活用する上で一見不利に思えるかもしれません。しかし、土地活用において重要なポイントは、「敷地面積の広さ」よりも「立地」です。

駅近や通行人で溢れかえる繁華街など、いわゆる一等地と呼ばれる場所であれば、小さい土地でも高い収益を見込める可能性は十分にあります。利便性が高く、賃貸アパートでも店舗でも、高い賃料を設定しやすいためです。

小さい土地で活用をすると話題性が生まれやすい

小さい土地は、活用のしにくさばかりが注目されがちですが、見方を変えれば「小さい土地」には他にはない強みがあります。

狭いからこそ設計上の工夫が必要となりますが、制約があるからこそ、設計士や建築デザイナーも普通では思いつかないような発想できるのです。

このように、地理的な制約のおかげで斬新な建築アイデアが生まれ、建築物がテレビや雑誌に取り上げられるなど、結果的に建物の話題性につながるのです。

小さい土地を有効活用しよう!オススメの活用方法6選!

小さい土地を有効活用しよう!オススメの活用方法6選!

こちらでは小さい土地に向いている活用方法を6つ紹介します。それぞれ、以下の4つのポイントに絞って解説します。

  • 初期費用
  • 収益性
  • メリット
  • デメリット

参考にしてみてください。

狭小アパートの建築、賃貸経営

小さい土地でも、変形地のように極端に建物を建てにくい土地でなければ「狭小アパート」を建てられます。

暮らしやすさを考慮するのであれば、30坪程度の敷地面積はあった方がいいでしょう。

コスト的には、2〜3階建ての戸数の少ない木造アパート、あるいは軽量鉄骨造アパートであれば、建築費を安く抑えられます。

設計上の工夫も大事です。敷地面積に余裕がないため、洗濯機置き場や物置を共用スペースとして作るなど、敷地を効率的に活用する工夫が必要となるでしょう。

また、狭小地では「オーバーハング」を駆使した建物もオススメです。オーバーハングとは、下階より上階のほうが突き出た形状の建物を作る建築技術です。

 <オーバーハングのイメージ図>

オーバーハング イメージ図

ちなみに、オーバーハングで建てるためには、上階を支えるために太い鉄骨を利用した重量鉄骨造にする必要があります。そのため、木造や軽量鉄骨造よりは建築費用が高くなります。

オーバーハングを利用すれば、1階の空きスペースを駐車場にするなど、狭小地でも無駄なく活用することが可能です。

・初期費用
建築費用は建物の構造や階数、延べ床面積などによって変わります。

リーズナブルな価格で建てやすい木造の2階建てだとしても、「30坪で2000〜3000万円」程度はかかるでしょう。

耐久性を優先して建てるなら、鉄骨鉄筋コンクリート造やコンクリートブロック造などにする必要がありますが、その分コストは増えてしまいます。

・収益性
賃貸アパートの収益性は、他の活用方法と比べても高い方です。空室リスクを抱えることにはなりますが、満室で稼働し続ければ、毎月安定した賃料を得ることが可能です。

アパートは2階建てが主流ですが、3階建てにして1階を駐車場にするなどの工夫をすれば、
収益性はさらに高まります。

ただし、地域によっては建てられる階数に制限があるため、設計段階で自治体に必ず確認するようにしてください。

・メリット
1番のメリットはやはり収益性でしょう。同じ狭小地でも、階数を増やすことで延べ床面積を増やせるため、工夫次第で高い収益が見込めます。

・デメリット
デメリットは、マンションと比べて建物の劣化が早く、築年数が経過するにつれて入居率が下がってしまう点です。

さらに、老朽化による度重なる修繕から、利益を圧迫する可能性もあります。ローリスクで始められて、高い収益も見込めますが、老朽化を想定して最終的な出口戦略を考えておく必要があるでしょう。

自動販売機の設置

小さい土地の中には、「建物を建てるスペースすらない」というケースもあります。そのような土地に向いているのが「自動販売機」です。

大まかな方法としては2つで、

  • 専用機器の設置場所のみを貸し出す方法(土地貸しタイプ)
  • オーナー自身が専用機器を購入して、運営する方法(自営タイプ)

の2つがあります。以下、タイプ別に特徴を解説していきます。

・初期費用
土地貸しタイプ:
場所のみの提供であれば、機材を無償貸与されることも多く、初期費用ゼロで始めることも可能です。

自営タイプ:
自営であれば、オーナー自身が販売機を購入しなければなりません。飲料自販機の値段は中古でも20万円前後、新品だと安くても50万円ほどします。(※1)

・収益性
土地貸しタイプ:
収益モデルは、毎月決まった賃料を得る「月々固定型」か、自販機の売り上げに応じて報酬を得る「売上連動型」の2種類です。

より収益性を高めるのであれば「売上連動型」のほうが見込みがありますが、売上次第では「月々固定型」よりも収益性が下がる可能性もあります。

自営タイプ:
より収益性を高めたいのであれば、自営タイプがオススメです。販売機を購入する必要があるため、初期費用はかかりますが、売上が良ければその分のリターンは得られます。

・メリット
土地貸しタイプ:
メリットは、在庫のチェックや仕入れ、清掃作業まで、全ての業務をメーカー側がおこなってくれる点です。収益性は低くなりますですが、オーナーは何もせずに不労所得を実現できます。

自営タイプ:
自営タイプのメリットは、やはり収益性の高さです。状況に合わせて自分で戦略を変えられるという利点もあります。たとえば、商品のラインナップや商品価格を自由に決められるなどです。利用者のニーズと上手く合致すれば、高い収益を狙えるでしょう。

・デメリット
土地貸しタイプ:
デメリットは、手離れが良いことと引き換えに、収益性が著しく低くなる可能性があるということです。

維持費として発生する電気代は基本的にオーナー負担であり、賃料と差し引きすると、ほぼ利益が残らないケースもあります。

1ヶ月の電気代がおよそ2,000円〜3,000円はかかるので、賃料の設定次第では収益性はかなり低くなるでしょう。売上連動型の場合は、最悪赤字になることも珍しくありません。(※2)

自営タイプ:
自営タイプのデメリットは、圧倒的に手間が増えてしまう点です。商品の選別、在庫チェック、仕入れ、清掃作業など、細かい業務が意外と多いのです。

また、仕入れによる手出しの費用も発生するため、しっかり収支を計算して、適切に運営する能力も求められます。

最近では、WiFi機能を備えた自販機や、珍しいスイーツを販売する自販機などもあり、立地によってはきちんと競合と差別化をする必要があるでしょう。

※1:「取り扱い商品」(じはんきや)https://www.jihankiya.com/service.html
※2:「自動販売機の電気代はどのくらいかかるのですか?」(HACHIYOH)
http://www.hachiyoh.co.jp/customer/ques01.html

土地貸し

土地貸し

活用方法や収益性に強いこだわりがなければ、「土地を必要としているテナントにただ土地を貸す」という方法もあります。

基本的に建物はテナント側が費用を負担してくれるので、オーナー側は何もせずに賃料を得られるのです。

土地は所有しているだけで固定資産税などの維持費がかかるため、土地貸しによって最低限の利益を生み、赤字を回避しているオーナーも少なくありません。

狭小地だとしても、立地さえ良ければテナントを招致することは難しくないでしょう。

・初期費用
土地貸しは、土地を貸して賃料を得るだけの活用方法であるため、建物の建築費用は基本的にテナント側が負担します。オーナー側が何か費用を負担するということはありません。

ただし、契約内容次第では一部費用負担が発生することもあります。テナント側の要望として、オーナー側が費用の一部を負担することを条件に、賃借契約をするケースもあるからです。

・収益性
オーナーが建物を所有しているわけではないため、地代(土地の賃料)のみで高い収益を得ることは難しいでしょう。駅近などの立地良い好条件な場所であれば、狭くても高い収益を望める場合もあります。狭小地はもともとの敷地面積が狭いため、複数に貸すことができないので、ひとつのところからの収入となります。

・メリット
土地貸しのメリットは、「初期費用がかからない」、「維持費を賄える」、「管理作業が不要となる」などが挙げられます。

初期費用についてはすでに述べた通り、通常は発生しません。毎月賃料を得られるので、固定資産税の支払いに困ることもなくなるでしょう。

また、「管理作業が不要になる」のもメリットです。狭小地といえど、放置し続ければ雑草が生えてきたり、違法投棄が発生したりなど、管理に時間や手間をとられがちです。

その点、第三者が土地を利用してくれれば、土地の管理やメンテナンスは借主がおこなってくれるため、オーナーの負担はかなり軽くなります。

・デメリット
デメリットとしては、長期間土地の利用が制限されてしまう点です。

契約の内容次第ですが、テナントへの土地貸しは「事業用定期借地権」という形式で行われることが多いです。

事業用定期借地権とは、第三者が事業用の利用のみを目的として、土地を借りられる権利を指します。

借地借家法において、事業用定期借地の契約期間は「10年以上50年未満」と決められており、基本的に契約期間は長期に及びます。

契約期間中に、より収益性の高い活用方法に変えたいと思っても、オーナーの一方的な都合で契約解除はできません。

自転車やバイクの駐車場経営

狭小地では、自転車やバイクの駐車場経営もオススメです。住宅街であれば「月極駐車場」、市街地であれば「コインパーキング」が向いています。

専用機器を自分で用意するとそれなりに初期費用がかかりますが、レンタルという選択肢もありますし、専門業者による一括借り上げ方式であれば、初期費用ゼロで始めることも可能です。立地や土地の特性に応じて、適切な経営スタイルを選んでみてください。

以下、狭小地の中でも具体的にどのような土地が駐車場に向いているのか、種類ごとに説明します。

【自転車用の駐輪場】
10坪以下の狭小地や、前面道路の幅が狭いような土地は駐輪場に向いています。例えば、5坪の土地であれば、大体15台前後の駐輪が可能です。

地下鉄、電車、バスなどの駅近にある土地は、都心か田舎かにかかわらず、一定の需要があるでしょう。

【バイク用の駐車場】
都市部にある土地は、バイク用の駐車場の需要が見込めます。駐車スペースとしては、1台につき奥行きが2m〜2.5m、横幅が1mほどのスペースあれば、そこそこ大型のバイクでも駐車できるでしょう。

【自動車用の駐車場】
住宅街や市街地に位置し、自動車が進入するための間口が広い土地では、自動車用の駐車場が向いています。

収益性を考慮するなら、最低でも2台以上のスペースがあるといいでしょう。10坪ほどの敷地面積があれば、自動車2台と精算機を置くスペースを確保できます。

車体の前後左右で、1m程度のゆとりが必要なので、中型車であれば奥行きが5.5~5.6m、横幅が約3.0mは欲しいところです。

・初期費用
駐車場経営は、総じて初期費用を抑えやすいという特徴があります。

中でも、月極駐車場は最もハードルが低いです。費用が発生するとしても、土地の舗装やライン引き、車止めのブロックなどがメインなので、小さい土地であれば数十万円台の初期投資で始めることができます。

一方、コインパーキングは多少初期費用の負担が増えます。精算機、車を止めるためのロック板、ゲートなどの機器を導入する必要があるからです。

価格の相場はそれぞれ、精算機が1台10〜50万円、ロック板が1台10万円前後、ゲートが1本30万円台〜40万円台となっています。

さらに、看板や照明の設置、各専用機器の設置は業者に依頼する必要があるため、それらの依頼料金を加味すると、最低でも200万円前後の初期費用がかかるでしょう。(※3)(※4)(※5)

・収益性
収益性の良し悪しも、やはり「月極」か「時間貸し」かによって変わります。月極だと月々の売上の上限は決まってしまいますが、コインパーキングのような時間貸しであれば、稼働した分だけ売上が増えます。

ただし、一般的には業者による土地の一括借り上げで活用するケースが多く、その場合、オーナーの収益は地代(土地の賃料)のみなので、収益性は低くなります。

駐車場経営で収益性を高めたいのであれば、時間貸しのスタイルで、かつ設備投資は自身でおこない、管理のみを業者に依頼するというやり方が妥当でしょう。

・メリット
駐車場経営のメリットは、ローリスクで始められるという点です。どれだけ費用がかかったとしても初期投資は数十万円〜数百万円ですし、業者による土地の一括借り上げであれば、初期費用ゼロで始めることもできます。

「固定資産税をまかなえるくらいの利益が欲しい」という方にはオススメと言えます。

・デメリット
駐車場経営のデメリットは、「節税に向いていない」という点です。

アパート・マンションや店舗、オフィスビルなどの場合は、建物を第三者に貸している間、所有者が自由に土地を利用できないことから、固定資産税や相続税に関して一定の軽減措置が用意されています。

その点、駐車場は基本的には更地扱いであるため、更地はそのような措置の対象外となるのです。

※3:「駐車場・駐輪場 精算機」(イプロスものづくり)https://www.ipros.jp/product/detail/2000181543

※4:「【中古商品】スリムロック板 SNP421C/422C【サニカ】」(アイパーク)https://i-park.online/?p=414

※5:「カーゲート(駐車場ゲート)価格・工事費用」(リモコンカーゲートドットコム)
https://www.cargate-hanbai.com/price/

コインランドリー経営

コインランドリー経営

コインランドリーは、小さい土地との相性がいい活用方法です。基本的に洗濯機や乾燥機を置けるスペースさえあればいいので、凝った建物を建てる必要もありません。

駐車場や自動販売機と同様に、専門業者のサポート体制が充実しているため、土地活用の初心者の方でも安心して始められます。

・初期費用
コインランドリーの初期費用は、小規模店舗でもおよそ2000万円前後はかかると言われています。駐車場経営や土地貸しと比べて、コスト面のハードルは高めです。

費用の内訳としては、洗濯機、乾燥機、洗濯乾燥機などの機器代、内装工事・電気工事・給排水工事の費用などが主です。

ちなみに、10坪〜15坪ほどの小さい土地であれば、置ける機器の台数は洗濯機が3〜4台、乾燥機が7〜8台程度となります。

機器の値段は容量によって変わり、安くても100万円台、高いもので300万円以上するものもあります。そのため、初期費用の半分以上は機器代と思っていいでしょう。

・収益性
「コインランドリーの平均利回りは約20%」というデータもあり、アパート・マンションと比べて利回りは良いと言われています。(※6)

ただし、コインランドリーの利回りは経営スタイルによってまちまちです。

例えば、賃貸物件を利用しているのか、所有物件を利用しているのかによって、利回りは大きく変わります。オーナー自身が運営するのか、業者に管理を委託するのかによっても変わるでしょう。

ちなみに、コインランドリーにはフランチャイズを展開している業者もいるので、立地調査や集客、経営全般に自信がない方は、加盟を検討してみてもいいかもしれません。

・メリット
目立ったメリットとしては、人件費がかからない点です。設備を揃えて、固定客さえ獲得することができれば、あとは半自動で経営することができます。

賃貸アパート・マンションのように、入居者を募集するために、不動産会社に広告費を払う必要もなく、建物の保全も簡単な補修程度で済むため、ランニングコストを抑えた経営が可能です。

また、コインランドリーには節税効果も期待できます。一定の条件を満たしていれば、「小規模宅地の特例」によって相続税を抑えたり、「中小企業経営強化税制」によって初期投資の一部を即時償却したりできるのです。

たとえば小規模宅地等の特例では、敷地面積の400㎡までは相続税が80%減額されることになります。詳しくは国税庁のホームページを参照してください。(※7)

・デメリット
一番のデメリットは、初期費用です。

アパート・マンションほどの金額ではないとはいえ、2000万円前後の負担は、自己資金だけでは中々難しいでしょう。場合によっては、金融機関からの融資を受ける必要があります。

また、無人だからこそのデメリットもあります。一般的にコインランドリーには店員がいないため、洗濯物や貴重品の窃盗、機器の破損などのトラブルが起こる可能性があるのです。

さらに、近年コインランドリーの店舗数が増えていることから、競争率が上がっているという懸念もあります。

厚生労働省の調査によると、国内のコインランドリーの店舗数は5%前後の伸率で毎年増えているようです。(※8)

コインランドリー業界にとって、市場が拡大するのはいいことですが、参入のタイミングは慎重に考えた方がいいでしょう。

※6:「LP ガスの新たな需要開拓の検討に関する調査報告書」(住環境計画研究所)
https://www.j-lpgas.gr.jp/data/R01_NewLPG_Survey.pdf

※7:「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm

※8:「コインオペレーションクリーニング営業施設に関する調査」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000640780.pdf

看板用地

極端に土地が小さく、費用もあまりかけられない場合は、「看板用地」として活用する方法があります。

土地の上に看板を設置して、宣伝をしたい企業に看板を貸し、賃料もしくは広告料を得るのです。とくに都市部では、立地次第で高い需要が見込めるためオススメです。

・初期費用
初期費用はほとんどかかりません。看板の制作費用や設置費用も借主が負担するため、土地を貸すことですぐに始めることができます。

・収益性
初期費用もかからず、ローリスクな活用方法ですが、その分、収益性はかなり低いです。立地や看板のサイズによって賃料は変わりますが、小規模なものだと年間で数万円程度の利益にしかならないこともあります。

・メリット
圧倒的に初期費用が少ない点、そして、狭小地でも実践できる点がメリットです。小さな看板であれば、2m四方の面積でも十分設置が可能です。

すでに建物を所有していて賃貸業をしているのなら、壁や屋上などに看板を設置することで、デッドスペースをなくし、収益を最大化できます。

・デメリット
収益性が低いのが、最大のデメリットです。利益重視の方には向かない活用方法でしょう。

また、看板や広告のサイズが大きい場合、建築基準法や屋外広告物法、景観法、さらに各自治体の条例など、諸々の制限がかかることがあります。好き勝手に看板を設置できるわけではないので、注意が必要です。

小さい土地を活用するときの注意点

小さい土地を活用するときの注意点

こちらでは、小さい土地を活用する際の注意点として、

  • 法規制
  • 小さい土地活用の弱点

の2点について詳しく解説していきます。

「法規制」について最低限知っておく

すでに紹介したように、小さい土地でも工夫次第で様々な活用が可能です。巨額の初期投資をせず、ローリスクで収益化できるのは魅力的と言えます。

しかし、始めるハードルが低いからこそ、小さい土地の活用は慎重におこなう必要があるのです。

  • 用途地域
  • 建ぺい率
  • 容積率
  • 接道義務
  • 防火地域、準防火地域
  • ワンルームマンション条例

少なくともこのあたりの知識は、最低限押さえておきましょう。

・用途地域
用途地域とは、1つの地域で複数の用途が混在するのを防ぐため、都市計画法によって用途が定められた13種類の地域のことを指します。

都市計画区域にある土地は、基本的に13の地域のどこかに属しており、建物を建てる際は土地の大小に関わらず、地域ごとに決められた用途に則って建てなければなりません。

例えば、所有している土地が「工業専用地域」なのであれば、賃貸住居やアパート・マンションは建てられないでしょう。

あるいは、「第一種低層住居専用地域」に土地がある場合、賃貸住居やアパート・マンションは建てられますが、工場は建ててはいけない決まりになっています。

このように、「用途地域」は土地活用をする上で必要不可欠な知識です。具体的な活用プランを考える前に、必ずチェックしておきましょう。(※9)
また、わからない場合には専門家に相談するようにしましょう。

・建ぺい率
建ぺい率とは、真上から建物を見下ろしたときに、敷地面積に対して建物の面積がどれくらい占めているかを表す数値です。

建ぺい率は用途地域ごとに定められており、建設時にはこの基準を守って設計する必要があるのです。建ぺい率の計算式は以下です。

建ぺい率=建物面積÷敷地面積×100

たとえば、「敷地面積が200㎡であり、建ぺい率は60%以下」という基準であれば、建築面積を120㎡以下におさめる必要があります。

・容積率
容積率とは、敷地面積に対して延べ床面積がどれくらい占めているかを表す数値です。延べ床面積は、各階の床面積を合計して算出します。

建ぺい率と同様に、容積率も用途地域ごとに定められており、建設時には基準を守って建てなければいけません。容積率の計算式は以下です。

容積率=延べ床面積÷敷地面積×100

たとえば、敷地面積が300㎡であり、容積率は70%以下という基準であれば、延べ床面積を210㎡以下におさめる必要があります。

・接道義務
接道義務とは、都市計画区域内において建物を建てる際、「原則として幅員4mの道路に対して、敷地が2m以上道路に接していなければならない」という建築基準法上のルールです。

これを満たしていない土地に、建物を建てることはできません。

また、土地の前の道路の幅員が4m未満である場合、土地と道路との境界線を敷地の方へ後退させなければいけません。これを「セットバック」と言います。小さい土地であっても例外ではありませんので、覚えておきましょう。

・防火地域、準防火地域
防火地域・準防火地域とは、市街地での火災の危険を防止するため、都市計画法によって指定されたエリアです。

これらの地域で建物を建築する際は、一部防火構造にする必要があり、その分建築コストが上がる可能性があります。

小さい土地は、防火地域や準防火地域にあることも珍しくないため、該当する場合は建物の設計段階でしっかり建築基準を確認しましょう。

・ワンルームマンション条例
ワンルームマンション条例とは、ワンルームのような単身者向けの住宅を建設する際に、何かしらの制限を設けるというものです。

狭小地でアパートを建てる際は、敷地の都合でワンルームになることも多いので、ぜひ押さえておきましょう。

規制内容は自治体によってさまざまです。たとえば、東京都の23区では1つの集合住宅に対して、ワンルームの戸数の割合に上限を決めていることがあります。

他にも、ワンルームの面積を特定の数値未満にしなければならないなど、自治体ごとに何かしらの制約があるのです。

このような規制を設ける理由は、自治体の思惑として、単身者の増加を避け、家族世帯への住戸の供給を優先したいという背景があるようです。

条例違反の建物を建ててからでは手遅れですから、小さい土地に賃貸アパートを建てる時は、該当地域の条例をしっかり確認するようにしましょう。

※9:「用途地域データ」(国土交通省)
https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-A29.html

小さい土地活用の「弱点」を知っておく

こちらでは、小さい土地特有の「弱点」について解説します。ポイントは、

  • 建築コスト
  • 斜線制限
  • ローン

の主に3つです。以下、詳しく解説します。

・「建築コスト」が高くなる可能性がある

小さい土地に建物を建てる場合、通常よりも建築コストが高くなるケースがあります。その原因は、「敷地の狭さ」です。

敷地が狭いと、資材の運搬用の大型トラックを敷地のそばに停められません。代わりに積載量の少ないトラックを使えば、一度に運べる量が少ない分、往復する回数が増えてしまい、運搬費がかさんでしまいます。

さらに、車さえ入れないような場所であれば、人力に頼らざるを得ないため、人件費も増えてしまうでしょう。小さい土地だからといって、必ずしも建築コストが割安になるわけではないのです。

・「斜線制限」に配慮する必要がある

斜線制限とは、建物を建てる際に隣地や道路への日当たりを考慮して、建物の高さに制限を設けるもので、建築基準法で定められています。

真横から建物を見たときに、長方形の角を斜めに切り取るように高さを制限することから、
斜線制限と呼ばれているのです。

厳密には斜線制限にはさまざまな種類があり、たとえば「北側斜線制限」は「北側の隣地に位置する住宅」に対して日当たりに配慮した制度です。

<北側斜線制限のイメージ図>

北側斜線制限のイメージ図

用途地域でいうと、第一種及び第二種低層住居専用地域、第一種及び第二種中高層住居専用地域の4つの地域が該当します。

具体的な規制内容としては、「敷地の境界線から垂直に5mもしくは10m伸びたところで、
建物に一定の傾斜をつけて建てなければならない」というものです。そうすることで、北側の隣地にも太陽光が届くようにしています。

また、道路斜線制限というものもあります。これは、敷地に接している道路の広さに合わせて、建物の高さを制限するものです。

たとえば、建ぺい率や容積率を守っていたとしても、道路斜線制限によって希望の階数の建物を建てられないといったケースもあります。

狭小地は密集地にあることも多く、狭小地かつ変形地の場合はさらに状況が複雑となるため、小さい土地に建物を建てる際は、極力建築知識の豊富な方に相談してみてください。

・ローンを組めない可能性がある
建物を建てるときは、金融機関のローンを利用するのが一般的ですが、それが小さい土地(狭小地)の場合、ローンの審査が通らない可能性があります。

理由は、「狭小地は不動産の担保能力が低い」と判断されるためです。

通常、ローンを組む条件の中には「不動産の担保能力」の項目があります。債務の支払いが困難となった際、担保である不動産を売却するなどして、弁済をおこなう必要があるからです。

そのため、金融機関としても不動産の担保能力を測る必要があり、敷地面積や床面積などに一定の基準を設けています。

つまり、狭小地はそれらの基準を満たせない可能性が高いということです。中には、狭小地でもローンの審査を通過できる金融機関もあるかもしれませんが、決して多くはないでしょう。

まとめ  

小さい土地の活用は、費用面でも労力においてもハードルが低く、「土地活用初心者でも始めやすい」と感じたかもしれません。

しかし、土地が大きくても小さくても、土地活用の本質自体は同じです。

投資資金を回収できるような事業計画、収益性を高めるための経営戦略、建築基準法や税法に関する幅広い知識など、どれも欠かせない要素ばかりです。実際に活用をする際は、ぜひそのことを頭の片隅に置いていてください。

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