駐車場跡地を貸したいなら知っておきたい予備知識4選

「今は使っていない駐車場跡地を貸したい」

「親から相続した駐車場跡地を何かで活用したい」

こちらの記事ではこのような要望をお持ちの方向けに、駐車場跡地を貸す上で必要な予備知識、また駐車場跡地を貸す流れや初期費用なども紹介します。駐車場跡地を持て余している方は参考にしてください。

目次

駐車場跡地を貸したいなら知っておきたい予備知識4選

まずは駐車場跡地を再び駐車場として貸したいなら知っておきたい予備知識を

  • ​​駐車場の収益性は高くない
  • 暫定的な活用が一般的
  • 駐車場経営の種類
  • 駐車場の3つの経営方式

の順番で紹介します。

駐車場の収益性は高くない

駐車場は住宅街、繁華街、商店街、オフィス街など、需要があれば基本的にどこでも経営が可能です。始めるハードルが低いことから、土地活用に馴染みのない方でもオススメの活用方法と言えます。

しかし、一方で収益性が高くないことは最初に理解しておく必要があります。収益性が高くない主な理由は以下の3つです。

  • 建物貸しと違って高い賃料を得ることが難しいから
  • 駐車場は更地扱いとなり、建物がある場合の土地と比べて固定資産税が高いから
  • 駐車場は競合が多くて価格競争に巻き込まれやすいから

このように、収益性が下がる複数の要因があることから、駐車場経営は中々黒字化しにくいと言われています。

暫定的な活用が一般的

土地活用では建物の階数が多いほど、利用効率が上がり、売上を最大化できます。2階や3階を作ることで、活用できるスペースが増え、より多くの賃料を得られるからです。その点、駐車場経営は建物を建てないので、どれだけ土地が広くても平面の部分しか活用できません。

つまり、駐車場経営は土地の持つポテンシャルを最大限に活かしているとは言えない活用方法なのです。そのため、駐車場経営は最適な活用方法が見つかるまでの暫定的な活用方法として選ばれる傾向があります。

駐車場経営の種類

一言に駐車場経営と言っても、大きく分けて2つのタイプがあります。

1つは利用者から毎月決まった賃料をいただく月極駐車場です。砂利を敷いただけで屋根のないもの、アスファルトで舗装したものの他、最近ではタワーパーキングの形態も存在します。主に住宅街やオフィス街で需要があります。

もう1つはコインパーキングで、時間単位で利用者に駐車場を貸し出すものです。こちらは駅近の立地や大型商業施設があるエリアなどで需要があります。

駐車場経営をする際は、大きくこちらの2つのタイプから需要がありそうなタイプを選ぶといいでしょう。

駐車場の3つの経営方式

駐車場の経営方式は大きく以下の3種類があります。

  • 個人経営方式

駐車場の設営から賃料設定、集客、利用者との契約・解約の対応など、すべてをオーナー自身でおこなう方式です。

個人経営方式の最大のメリットは、委託会社を介さないため、賃料を100%自分の収益にできる点です。

しかし、駐車場の清掃から駐車場内で起こるトラブル、賃料の未払い対応まで、すべてをオーナー1人でおこなうので、相応の負担を覚悟する必要があります。

  • 管理委託方式

駐車場経営における管理業務を外部に委託する方式です。集客や契約・解約などの事務的な対応を任せられるので、個人経営方式と比べてオーナーの負担がかなり軽減されます。

ただし、委託料が発生するため、収益性は個人経営方式よりも下がります。なお、委託料の相場は賃料の5〜10%程度です。

  • 一括借り上げ方式

オーナー自身が経営には関わらず、駐車場経営をしたい事業者に土地を貸し、事業者から賃料を得る方式です。

初期費用を負担する必要がなく、日々の管理業務も発生しないので、副業感覚で土地活用ができます。ただし、得られるのは事業者からの地代のみなので、個人経営方式や管理委託方式と比べると収益性は下がります。

駐車場跡地を駐車場として貸すメリット

こちらでは駐車場跡地を駐車場として貸すメリットを4つ紹介します。

初期費用を抑えやすい

駐車場経営は、初期費用を抑えてできる数少ない活用方法の1つです。整地作業や看板・フェンスの設置など、簡易的な工事だけでいいので安価で済みます。一括借り上げ方式でおこなうコインパーキングであれば、初期投資は全て事業者が負担するため、オーナーは1円も払う必要がありません。

ただし、個人経営方式や管理委託方式など、初期投資を自分で負担してコインパーキングを始める場合は、機器の購入や設置工事に数百万円程度の費用がかかります。初期費用を抑えてコインパーキングを始めたい場合は、コインパーキング業者からのリース品を使うと良いでしょう。

収益が安定しやすい

月極駐車場の場合、一度契約が決まれば基本的には長期間利用してもらえます。そのため、収益は比較的安定しやすいと言えます。コインパーキングの場合も、一括借り上げ方式であれば、長期間安定して事業者からの賃料を得ることが可能です。いずれの場合も収益自体はそこまで高くない可能性がありますが、安定しやすいのがメリットです。

事前通知で解約できる

駐車場経営は借地借家法の適用外ですので、双方が合意した契約内容によっては、法律的にはいつでも事前通知をして解約できます。ただし、実際は数ヶ月前に通知をするのが一般的です。コインパーキングの大手「タイムズパーキング」では「3ヶ月前までに書面で通知すること」が事前通知の条件となっています(※1)。

このように駐車場経営は他の活用方法と比べて撤退するハードルが低いので、他に良い活用方法が見つかれば、早めの方針転換が可能です。

※1「よくあるご質問」(タイムズパーキング)

狭い土地でもできる

建物を建てにくい狭い土地でも、車が停まれるスペースと動線さえ確保されていれば、駐車場経営を始められます。実際、車1台につき幅2.5m×奥行6mほどのスペースがあれば、駐車は可能です。このように、どれだけ狭い土地でも駐車スペースさえあれば活用できるのは、駐車場経営の大きなメリットです。

駐車場跡地を駐車場として貸すデメリット

続いて、駐車場跡地を駐車場として貸すデメリットを4つ紹介します。

賃料相場が低い

同じ敷地面積で、同じ立地だとしても、建物を貸す場合と比べて駐車場の賃料相場は低いです。また、駐車場経営は土地の平面しか活用できていないため、利用効率も悪い特徴があります。駐車場経営はローリスクであると同時に、ローリターンの活用方法と言えます。

値下げ交渉をされる可能性がある

ただでさえ賃料相場が低い駐車場ですが、賃借人から値下げ交渉をされて、さらに収益が下がる可能性があります。たとえば、月極駐車場では契約中の賃借人から、契約の更新を条件に賃料の値下げを要求されるかもしれません。

また、業者による一括借り上げ方式でコインパーキングを経営している場合、業者の経営状況が悪ければ、地代の値下げ交渉をされる可能性があります。

固定資産税が高い

駐車場は更地と同等の扱いになるため、小規模住宅用地の特例が適用されません。そのため、建物が建っている場合と比べて固定資産税が最大6倍、都市計画税が最大3倍もかかります。駐車場経営をする際は、事前にこれらの支出をシミュレーションし、赤字にならないかをチェックしておく必要があります。

土地の利用効率が悪い

繰り返しになりますが、駐車場には建物がないため、平面のみの活用しかできません。アパートやマンションのように階数を増やして活用する平面を増やせないため、土地の利用効率が悪く、収益を最大化できない点がデメリットです。

駐車場跡地を貸す場合の3つのコツ

元々駐車場として活用していた跡地だからと言って、同じように駐車場経営で成功するとは限りません。そこで、こちらでは駐車場土地を再び駐車場として貸す場合の3つのコツを紹介します。

需要の有無を調べる

まずは今でも駐車場の需要があるかどうかを調べましょう。以前駐車場として使われていたとしても、今でも需要があるとは限らないからです。たとえば、月極駐車場はマイカーや社用車の利用が多いので、住宅街やオフィス街が近くにあれば需要が見込めます。

料金を相場に合わせる

事前の調査で需要の有無の確認と同様に重要なのが、料金の相場の確認です。アパートやマンションと同じように、駐車場の料金にも相場があります。少しでも相場より高いと、駐車場利用者から敬遠されるでしょう。

特にコインパーキングの場合、近隣に競合がオープンすることで相場が変わることが少なくありません。そのため、コインパーキング開始以降も常に競合調査をして相場を把握し、料金設定を適宜調整することをオススメします。

停めやすくて綺麗な駐車場を心がける

需要があり、料金設定が適正だったとしても、使いにくい駐車場はやがて利用者が離れていきます。そのため、駐車場のレイアウトや区画の広さに十分配慮し、停めやすい駐車場を心がけましょう。

また、清潔感のある状態を維持するために、定期的にゴミ掃除や草刈りをすることも大事です。利用者が使っていて嫌な気持ちにならないように、駐車場を清潔に保ちましょう。

駐車場跡地を貸す場合の初期費用

駐車場跡地を再び駐車場として貸す場合、きちんと初期費用を把握しておくことが重要です。月極駐車場とコインパーキング、それぞれの初期費用を紹介するので参考にしてください。

月極駐車場の初期費用

月極駐車場でかかる初期費用は、駐車場の規模によって変わります。アスファルト舗装をする場合は少なくとも数十万円以上の費用がかかりますが、舗装が必要なければ10数万円で済む場合もあります。

アスファルト舗装費用の目安は5000円/㎡ですので、100㎡なら50万円、200㎡なら100万円くらいかかると思っていいでしょう。その他の初期費用の主な内訳は以下の通りです。

項目費用
駐車区画線・番号の設置1区画につき5000円程度
車止め設置1台につき6000円程度
境界フェンスの設置10万円程度
看板の設置5万円程度
照明の設置10万円程度

コインパーキングの初期費用

コインパーキングの初期費用は、個人経営方式か一括借り上げ方式かによって大きく異なります。個人経営方式で、専用機器の購入費用や整地費用などを全て自分で負担する場合、300万円程度の初期費用がかかります。一方で一括借り上げ方式であれば、それらの費用は全てコインパーキングの運営業者が負担するため、初期費用は基本的に発生しません。

駐車場跡地を貸す大まかな流れ

こちらでは駐車場跡地を再び駐車場として貸す際の大まかな流れを紹介します。個人経営方式ではなく、管理委託方式や一括借り上げ方式の場合の流れになりますので、参考にしてください。

運営会社に相談する

月極駐車場もコインパーキングも、一般的には運営会社と協業するケースが多いです。運営会社とは、三井のリパークやタイムズなどのことで、同社はコインパーキングだけでなく月極駐車場の運営もおこなっています。

立地や敷地面積などの情報を伝えれば、月極駐車場とコインパーキングのどちらが向いているのか、また料金設定や運営方法についてアドバイスをもらえるでしょう。

月極かコインパーキングか、駐車場の種類が決まったら、運営会社から具体的なレイアウトや工事の流れの説明を受けます。相談段階では運営会社を1社に絞る必要はないので、複数社に相談しましょう。

市場をリサーチする

候補となる運営会社をいくつか絞ったら、次は市場調査をします。と言っても、オーナー自身が調査をする必要はありません。基本的には運営会社が調査してくれます。

調査が完了したら運営会社から賃料の提案があります。周辺エリアの賃料相場、立地の強みなど、どのような根拠に基づいて賃料が設定されているのか、細かく確認しましょう。

賃貸借契約を結ぶ

運営会社を決めたら賃貸借契約を結びます。運営会社と協業する場合は、基本的にオーナーは経営に介入せず、土地を貸すだけの契約です。

この手の契約で気をつけたいのは「いつまでに予告すれば解約できるか?」です。解約の予告月数が重要である理由は、駐車場経営は暫定的な活用であることが多いため、いざという時にオーナーの都合で早めに解約できる方が都合が良いからです。

たとえば、土地を高く買取りたい人が現れたり、より適した活用方法が見つかったりした場合、予告から解約までの期間が短い方が機会損失を最小限にできます。そのため、賃貸借契約では必ず解約の予告月数を確認しましょう。

着工

契約が完了したら、いよいよ駐車場の設置作業に入ります。アスファルト舗装や区画線の設置などの他、コインパーキングであれば専用の駐車機器の設置も必要です。3日〜1週間ほどの期間で工事は完了します。

運営開始

工事が終わったら駐車場の運営が開始されます。電柱看板を活用したり、敷地内にのぼりを設置したりして、周辺地域に新規オープンをアピールしましょう。

駐車場跡地を別の用途で活用した事例

駐車場跡地の活用方法は、駐車場だけではありません。そこでこちらでは、別の用途で活用した事例を3つ紹介します。

駐輪場・バイク置き場

周辺の環境次第では、駐輪場やバイク置き場として活用できるケースもあります。最近では電動アシスト付自転車やカゴ付の自転車など、大型の自転車を停められる駐輪場の需要が高まっているのでオススメです。

電気自動車用充電スタンド

都心を中心に自転車シェアリングサービスが浸透しているため、一括借り上げ方式で運営業者に土地を貸し、地代を得る選択肢もあります。電気自動車用充電スタンドであれば、充電スタンドを設置するだけで、大掛かりな工事も必要ありません。収益自体は高くありませんが、運営業者から毎月安定した地代を得ることができるでしょう。

収納スペース

昨今の震災を受け、発電機や仮設トイレなどの防災グッズの重要性が再注目されています。同時に、それらを保管する防災倉庫として収納スペースの需要が高まりつつあるのです。特に、住居に広い収納スペースを確保しにくいマンションでは、そういった収納スペースの需要が高いと言えます。

駐車場跡地の売り時は?

昔は駐車場として活用できていた土地だとしても、同じように再び活用して収益化できるとは限りません。状況次第では駐車場跡地を売却して、その資金を別の事業や投資に回した方が有益となるケースもあります。そこで、こちらでは駐車場跡地の売り時を2つ紹介します。

資金不足である

元々駐車場を運営できていた土地であれば、立地は悪くなく、住宅や店舗を建てても需要がある可能性は高いでしょう。そのため、跡地を売りに出せばそれなりの金額で売れる可能性があります。資金不足で現金を必要としている場合は、売り時と言えるでしょう。

バランスシートを調整したい

バランスシートとは賃借対照表のことです。土地を売って資産を減らし、売却益を負債の返済に充てれば、資産と負債のバランスを調整できます。このように、総資本利益率の改善や資産保有リスクの回避をしたい方は、売り時と言えます。

駐車場跡地の売却なら近畿住宅流通へ

駐車場跡地は建物がないので、使い勝手さえ良ければ、良い条件で売れる可能性が高いです。そこで、少しでも手残りを増やしたい場合は、不動産仲介業者を経由せず、直接弊社のような買取業者に売却することをオススメします。なぜなら、買取業者への売却であれば仲介手数料が発生しない分、手元に残る金額を最大化できるからです。

その点、弊社は全国で100件以上の土地買取をおこなってきた買取のプロです。駐車場跡地の売却でお困りでしたら、お気軽に近畿住宅流通までお問い合わせください。

お問い合わせ

会社名
お名前*
ふりがな*
電話番号*
メールアドレス*
お問い合わせ内容*

プライバシーポリシーはこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

\この土地はいくらで売れる?/