不動産売却の現地調査では何をチェックするのか、住宅用地と事業用地とに分けて解説します。不動産売却を検討中の方は参考にしてください。
不動産売却の現地調査は物件調査の1つ
不動産売却における物件調査には複数の方法があり、現地調査はその中の1つです。そこで、こちらでは現地調査を含む6つの調査方法を紹介します。
聞き取り調査
物件調査の初期段階であり、売主から物件に関する詳細な情報を集めるステップです。物件の利用状況、土地の広さ、住宅ローンの残高、税金や管理費の納入状況など、物件の基本情報がこの段階で明らかにされます。特に、住宅ローンの残高がある場合、売却するには抵当権の抹消が必要となります。
現地調査
売却予定の不動産がある現地を訪れ、直接調査をおこなうステップです。「訪問査定」と呼ばれることもあります。具体的には建物の位置や境界線、周辺環境、道路状況などを確認し、物件の実態を把握します。その他、においや騒音など、直接現地に行かなければ確認できない要素が評価の対象です。
当社の場合は、まず簡易的な査定として机上査定をおこない、買取可能な物件であれば最短で翌日には現地調査をおこなっています。少数精鋭ならではのスピーディな対応が当社の強みです。
法務局調査
不動産の公式記録を確認するために、登記簿謄本を取得して、所有者の確認や抵当権の有無などを確認します。法務局が運営する「登記情報提供サービス」というサイトにて、オンライン上で謄本・公図・地積測量図の取得が可能です。
また公図や地積測量図を用いて、物件の正確な面積や位置を把握します。これらの資料は「登記・供託オンライン申請システム」というサイトで、オンライン申請が可能です。
役所調査
不動産を管轄する地域の役所で、建築基準法や都市計画法に基づく制限、道路状況、インフラ設備などに関する資料を閲覧し、調査します。
インフラ施設の調査
電気、ガス、上下水道など、生活基盤となるインフラの設備状況や供給状況を確認します。この段階で、設備の詳細な状況、供給能力などが評価されます。
市場調査・取引事例調査
最終ステップとして、不動産の市場価値を評価するために市場動向や周辺物件の取引事例を調査します。この調査により、最終的に不動産の適正価格を判断するのが一般的です。
当社ではロードサイド物件をはじめとして、全国の土地を対象に事業用地の買取を積極的におこなっています。事業用地の売却に関してご相談がありましたら、お気軽に当社までお問い合わせください。
不動産売却における現地調査の内容と注意点
続いて、不動産売却における現地調査について、具体的な調査項目や内容、注意点などを解説します。
現地調査でチェックされる主な項目
現地調査でチェックされる主な項目は以下の通りです。
チェック項目 | 調査内容 |
地形 | 土地の高低、傾斜、地質などの自然的特徴を評価します。 |
道路 | 物件へのアクセスの良し悪し、道路の状況や接道状態を確認します。 |
境界 | 境界標の有無や越境の問題点を確認します。 |
公図との整合性 | 物件の実際の状況が公式記録と一致しているかを検証します。 |
建物の状況 | 建物の構造、状態、メンテナンスの履歴などを調べます。 |
インフラ設備 | 水道、電気、ガスなどのインフラの接続状況と品質を確認します。 |
近隣の土地利用 | 近隣に利便施設や嫌悪施設があるか、またその影響を調査します。 |
公共交通 | 公共交通機関へのアクセス性と利便性を評価します。 |
環境問題 | 騒音や異臭など、生活環境に影響を与える要因を調べます。 |
事故や災害 | 過去に事故や自然災害の被害を受けた履歴があるかを確認します。 |
環境アセスメント | 環境規制の対象になっていないかを確認します。 |
将来の開発計画 | 将来的な開発計画の有無を確認します。 |
住宅用地の場合
住宅用地の現地調査では、特に以下の項目が重点的にチェックされます。
- 建物の状況
建物の外壁、屋根、床などの状態をチェックし、雨漏りなどの問題がないかを確認します。後日、付帯設備表や物件状況確認書の提出が求められることもあります。
- 境界
境界標の有無と正確な位置を確認し、越境問題がないかを検証します。境界確定作業は不動産売却においてトラブルを避けるためには不可欠と言っていいでしょう。
- 地形
土地の高低差、傾斜、地質などを評価し、建築可能性や災害リスクを判断します。地目の登記情報と実際の用途が一致しているかも確認が必要です。
- インフラ設備
水道、ガス、電気などのライフラインの状況を確認し、設備の更新や新規設置に必要な費用を把握します。
- 公共交通機関の利便性
公共交通機関へのアクセスの良し悪しや日常生活の利便性は、物件価値に大きく影響します。
- 土地周辺の環境
現地にて騒音や異臭の有無を確認し、生活環境の質を評価します。
- 事故や災害の有無
過去に事故や自然災害が発生した記録がないかをチェックし、将来のリスクを予測します。
事業用地の場合
事業用地の現地調査の場合は、以下の項目が重点的にチェックされます。
- 境界
事業用地では、土地の利用計画や建築計画に直接影響するため、境界の正確な確定が必須です。そのため、境界標の有無や越境の問題がないかを徹底的に検証します。
- 道路
事業用地では、物流の効率性やアクセスの容易さが重要となるため、道路の幅員、接道状況、道路へのアクセス性を確認します。
- 地形
土地の地形は、建築計画や事業計画に大きく影響するため、地形の傾斜や地質を詳細に調査します。
- インフラ設備
事業用地では、電気、水道、ガスなどのインフラが事業運営に直接影響するため、接続状況や設備の容量を正確に確認します。
- 土地周辺の環境
土地周辺の利便施設や嫌悪施設の有無を調査し、土地の位置が事業運営に及ぼす影響を評価します。
- 公共交通機関の利便性
従業員の通勤や顧客のアクセスに影響するため、公共交通機関の利用に不便がないかを確認します。
- 事故や災害の有無
過去に土地が災害や事故に遭遇した歴史がないかを確認し、リスク管理のための情報を収集します。
- 公図との整合性
特に古い地域や区画整理がおこなわれていない場所では、公図と実際の土地状況が異なることがあります。そのため、事業用地の売却の際、地図の訂正手続きが必要になることもあります。
- 環境アセスメント
事業用地の場合、その土地が環境的な制約を受けているかどうかを理解することも重要です。特定の地域が自然保護区域に指定されている場合や、特定の環境規制の対象となっている場合、事業活動が制限される可能性があります。
そのため、現地調査ではこれらの環境的な要因が土地の使用にどのような影響を及ぼすかを評価します。
- 将来の開発計画
土地の周辺で予定されている開発計画も、その土地の将来価値に大きな影響を与えます。たとえば新しい交通インフラの建設や商業施設の開発などは、土地のアクセス性や魅力を高める可能性が高いため、プラスの評価となる見込みがあります。
反対に、工業施設や廃棄物処理施設などの計画がある場合、土地の価値が下がる可能性もあります。現地調査では、このような将来の開発計画が土地の評価にどのように影響するかも評価します。
当社ではまず簡易的な査定として机上査定をおこない、買取可能な物件であれば最短で翌日には現地調査をおこなっています。少数精鋭ならではのスピーディな対応が当社の強みです。事業用地の売却に関してご相談がありましたら、お気軽に当社までお問い合わせください。
現地調査にかかる費用の相場
不動産売却における現地調査の費用は不動産会社によって幅がありますが、一般的には5万円から8万円が相場となっています。ただし、更に詳細な調査、たとえば地盤調査をおこなう場合は、追加で5万円から30万円の費用がかかることがあります。
なお、大手ハウスメーカーや一部の不動産会社では、敷地調査を無料で提供する場合もあります。当社も、机上査定を経て訪問査定が必要であると判断させていただいた場合は、現地調査を無料にて承っています。事業用地の売却をご検討中の場合は、お気軽に当社までご相談ください。
不動産売却の現地調査なら近畿住宅流通へ
当社ではロードサイドをはじめとする事業用地の買取を積極的におこなっています。これまで全国の事業用地を対象に、計100件以上の売買取引をおこなってまいりました。
現地調査に関してもスピーディかつ正確な調査、およびわかりやすい説明を心がけております。不動産売却についてお悩みや質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。