事業用地を持っているけど、現在活用できていない人も多いのではないでしょうか。この記事では、千葉県の事業用地に絞って現在の土地の動向や制度、相談先などについて紹介していきます。
千葉ニュータウンの開発
千葉県の事業用地を語る上で触れておきたいのが、やはり「千葉ニュータウン」です。
こちらでは千葉ニュータウンの成り立ちや特徴を紹介します。
千葉ニュータウンとは
千葉ニュータウンとは、船橋市、白井市、印西市の3つの市にまたがる開発都市です。1966年に開発計画が立てられ、翌年には用地買収が始まりました。
その後、1979年に北総開発鉄道が部分的に開通し、徐々に居住者が増え始めたのです。1984年には千葉ニュータウン中央駅が誕生し、ニュータウンの中央エリアへの入居も進みました。
順調に進んでいるように思われた開発計画ですが、バブルの崩壊や少子化などの影響で移り住む人が減り、開発規模を縮小した過去があります。そのため、しばらく都市開発に失敗したイメージが強かった千葉県ですが、近年は少しずつ人口が増え始めています。
14万3300人という計画人口に対し、2019年9月の時点で居住者数は10万1583人まで増え、70%を超える達成率を記録しています。大型の商業施設や、教育施設、医療施設など、生活環境が充実しており、幅広い年齢層から暮らしやすい都市として支持されているようです。
充実した鉄道・道路網!都心部からのアクセスも良好
交通網が充実しているのも、ニュータウンが人気である理由の1つと言えます。具体的には、
- 東京湾アクアラインを利用すれば、木更津金田ICから羽田空港まで16分
- 成田新校則鉄道を利用すれば、日暮里から成田国際空港まで最速36分
- 北総鉄道北総線と成田スカイアクセスは、都心や羽田空港、成田空港に直結
などです。その他、成田方面に伸びる道路の整備計画も進行しているため、今後もますますアクセス性が向上するものと思われます。詳しくは千葉県のホームページを参照してください(※1)。
※1「主な開通箇所と開通予定箇所の概要」(千葉県)
拠点である印西市は、住みよさランキングで7年連続1位
千葉ニュータウンに含まれる船橋市、白井市、印西市の中で、特に人気なのが「印西市」です。
印西市はニュータウンの拠点でもあり、東洋経済新報社が発表した「住みよさランキング」によると、2012年から7年連続で堂々の1位を獲得しています。
生活環境が充実していること、また都心や空港へのアクセスが良いことにくわえ、震災リスクが低い地盤であることも、ニュータウンの魅力の1つと言えるでしょう。
印西市の土地は、地盤が固い内陸の高台に位置しているため、震災リスクが極めて低いと言われています。その安全性の高さから、Googleが世界で5つめのデータセンターの建設地として、印西市を選んだほどです。
また、長らく「北総鉄道の運賃が高すぎる」との声が住民から数多く発生していましたが、
2022年10月から15.4%の運賃値下げをすることが、すでに北総鉄道会社から発表されています。
移住を渋るネガティブな問題が改善されることで、今後はより多くの移住希望者を見込めるでしょう。
千葉県はいま企業進出が盛ん!
先述のように、千葉県(印西市)は地盤が強固であることから、「BCPに長けた都市」として注目されています。
BCPとは、企業が自然災害などの緊急事態に直面した場合において、損害を最小限に抑えつつ、事業の継続または早期復旧を可能とするために必要な計画のことです。
Googleの他にも、2011年の震災をきっかけに金融機関がニュータウンに拠点を移すなど、BCPに強い印西市に着目した企業の進出が盛んです。
進出する企業への補助金や支援制度も充実していますし、都心や空港へのアクセスも良いので、今後もIT企業が印西市に拠点を移す可能性は十分にあるでしょう。
千葉県の事業用地を活用する場合の申請
こちらでは、千葉県の事業用地を活用する際に押さえておきたい制度を4つ紹介します。
千葉県企業立地促進資金
県企業立地課から認定を受けた企業が、設備資金及び運転資金を融資してもらえる制度です。以下、詳細となります。
融資限度額:設備資金20億円以内(融資対象経費の90%以内。既存の跡地処分により本資金の一部返済を行う場合、当該跡地の評価額の範囲内で加算可能)、運転資金3千万円以内
融資期間:設備資金12年以内(据置期間2年以内。加算分については一括償還)、運転資金3年以内(据置期間1年以内)
融資利率:年1.6%以内(固定金利)
手続:県企業立地課から千葉県立地企業補助金に係る立地計画の認定を受けた後、取扱金融機関に融資申込み
取扱金融機関など、詳しい情報は千葉県のホームページを参照してください(※2)。
※2「千葉県企業立地促進資金」(千葉県)
過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法
過疎地域で事業をおこなう法人に対して、「国税(法人所得税)に係る事業用資産の買い替えの場合の課税の特例及び減価償却の特例」や「地方税(法人事業税、不動産取得税、固定資産税)の優遇措置」など、税制面での優遇措置をおこなう制度です。
対象地域は、旭市(旧干潟町の区域)、勝浦市、鴨川市(旧天津小湊町の区域)、南房総市、東庄町、長南町、大多喜町、鋸南町となっています。詳しい情報は、千葉県のホームページを参照してください(※3)。
※3「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」(千葉県)
半島振興法
半島振興法第2条の規定により、半島振興対策実施地域として指定された地区で事業をおこなう法人に対し、国税や県税、市町村税に関する優遇措置をおこなう制度です(※4)。
対象地域となる地域は、館山市、勝浦市、鴨川市、富津市、いすみ市、南房総市、大多喜町、御宿町、鋸南町の6市3町となります。具体的な措置の内容は以下の3つです。
【1:国税(法人所得税)に係る割増償却】
内容:半島振興地域内で対象事業を行う事業者が、機械・装置、建物・附属設備、構築物の取得、建設、改修等を行った場合に、5年間の割増償却を行うことができます。
対象業種:製造業、旅館業、情報サービス業等、農林水産物等販売業
償却限度額:機械・装置:普通償却限度額の32/100
建物・付属設備、構築物:普通償却限度額の48/100
取得価格:<製造業・旅館業>500万円以上(資本金が1,000万円超5,000万円以下の法人の場合は1,000万円以上、5,000万円超の法人の場合は2,000万円以上)
<情報サービス業等・農林水産物等販売業>500万円以上
【2:県税(法人事業税、不動産取得税、固定資産税)の優遇措置】
内容:半島振興地域内で対象事業を行う事業者が、機械・装置、建物・附属設備、構築物の新増設を行った場合に、地方税の優遇を受けることができます。
対象業種:製造業、旅館業、情報サービス業等、農林水産物等販売業
優遇措置:不動産取得税:1/10
法人事業税(3箇年度):1/2→3/4→7/8
固定資産税(3箇年度):1/10→1/4→1/2
取得価格:<製造業・旅館業>500万円以上(資本金が1,000万円超5,000万円以下の法人の場合は1,000万円以上、5,000万円超の法人の場合は2,000万円以上)
<情報サービス業等・農林水産物等販売業>500万円以上
【3:市町村税(固定資産税)の不均一課税】
市町村の条例制定状況によって異なりますが、半島振興地域内で製造業、旅館業、情報サービス業等、農林水産物等販売業に係る特別償却設備を新設・増設した場合、不均一課税します。
※4「半島振興法」(千葉県)
地域再生法に基づく支援制度
地域再生計画で指定する地域において、本社機能の移転・拡充を行った事業者に対する課税の特例措置をおこなう制度です。
県内で安定した良質な雇用の創出や県内全体の雇用の拡大に寄与する企業の地方拠点強化を目的としています。具体的な優遇措置の内容は以下の4つです。
【1:オフィス減税】
特定業務施設の新設又は増設に際して、取得等した建物等の資産に係る法人税等の、特別償却又は税額控除のいずれかの適用を受けることができます。
【2:雇用促進税制】
特定業務施設において、新たに雇い入れた従業員等に係る法人税等の税額控除の適用を受けることができます。
【3:日本政策金融公庫による低金利融資】
事業の実施に必要な設備資金及び運転資金について、長期かつ固定金利で融資を行います。
【4:中小企業基盤整備機構による債務保証】
事業の実施に必要な資金を調達する際に発行する社債及び金融機関からの借入れに対して、
中小企業基盤整備機構が債務保証を行います(中小企業者のみ)。対象事業の詳細は千葉県のホームページの資料を参照してください(※5)。
※5「地域再生法に基づく支援制度」(千葉県)
千葉県の事業用地を活用する場合の相談先は?
こちらでは、千葉県で事業用地を活用する場合の、オススメの相談先を紹介します。
「カシチ不動産」
工場用地、倉庫用地、ロードサイドや店舗用地などの事業用地を中心に賃貸業をおこなっている企業、株式会社オン・フォワードのサービスです。カシチ不動産では、主に東京、埼玉、千葉、神奈川、栃木、茨城の事業用地を扱っています。
「事業用不動産」という事業用不動産の売買サイトの運営もおこなっており、東京、埼玉、千葉、神奈川の事業用不動産を取り扱っています。
カシチ不動産
事業用不動産
「株式会社北総クリエイト」
千葉県にある工場、倉庫、店舗、資材置き場、売りビルなどの事業用不動産の購入、買取、仲介をおこなっている企業です。
サイト内では「事業用物件 土地」、「事業用建物付き」、「事業用賃貸」の3つでカテゴライズされており、事業用不動産の購入や賃貸を検討している方にオススメです。
株式会社北総クリエイト
「千葉県事業用不動産.ねっと」
有限会社住まいるハウスが運営する、千葉県千葉市・成田市・市原市・八千代市を中心とした事業用不動産専門の情報サイトです。主に遊休地、工場、事務所、倉庫、資材置き場、病院、店舗、ホテルなどの売買・賃貸物件を取り扱っています。
千葉県事業用不動産.ねっと
「北葉地所株式会社」
千葉県北総地区を中心に、事業用不動産の売買・賃貸をおこなっている企業です。主に事業用地、工場用地、倉庫用地、商業用地などを取り扱っています。
北葉地所株式会社
「千葉土地建物管理 千葉支店」
南総キングダム株式会社が運営する、千葉県の不動産売買、賃貸、管理をおこなうサイトです。マンションや一戸建てのほか、土地や店舗、事務所、倉庫、工場なども数多く取り扱っています。
千葉土地建物管理 千葉支店
https://www.chibatochitatemonokanri.jp/
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